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ダイハツ様は、既存の RPA システムからあらゆる領域を自動化するハイパーオートメーションプラットフォームへ短期間で移行し、コスト削減とプロセスの最適化を実現

Mami Uchida Profile Picture Mami Uchida

鎌松愛瑚 ローコード テクニカルスペシャリスト
日本マイクロソフト株式会社


​​​​​​​移行概要

ダイハツ工業株式会社(以下、ダイハツ)様は、1907年に創立され、大阪府池田市に本社を置く自動車メーカーであり、軽自動車を中心に製造・販売を行っています。業務効率化を推進する中、業界トレンドやコスト削減などの背景があり、既に使用していたRPA(Robotic Process Automation)ツールから、マイクロソフトが提供している RPA ツールであるPower Automate for desktopへの移行を短期間で円滑に完了しました。この移行の詳細について、お話をお聞きしました。


ダイハツ工業株式会社様 本社前

Microsoft Power Platformは、マイクロソフトが提供する、アプリケーション開発、業務プロセスの自動化、データ分析、AI エージェントの作成などを行うためのローコードツール群で、Power Apps、Power Automate、Power Pages、Power BI、Microsoft Copilot Studio の 5 つの製品が含まれています。今回ダイハツ様が移行に利用されたPower Automate for desktopは、Power Automate という業務プロセスの自動化に特化した製品の中でデスクトップ操作を自動化するためのツールであり、日常的な繰り返し作業を効率化し、業務の生産性を向上させることができます。



Power Automate for desktop への移行を決めた背景

以下のような理由により、既存の RPA ツールから Power Automate for desktop への移行を決断しました。
  • 既存のRPAの利用コストが増加する中で、コストを削減する必要があった
  • 業界トレンド (ベンチマークにしている他社や業界のトレンド、また Nippon PPEC (Power Platform Enterprise Community) という Power Platform のエンタープライズ企業向けユーザーコミュニティの動向も参考に、Power Platform の利用も含めての効果を検討した
  • 既存の RPA ツールには実装されておらず、Power Automate for desktopで実現できる機能 (AI Builder やクラウドフロー) の利用需要があった
  • Power Automate for desktop は、市民開発が可能で、より多くの社員の活用が期待できる

このような背景から、Power Automate for desktop への移行を行うことで、より業務の効率化を図れるのではないかと考えました。


移行内容と移行体制

現在、既に移行は完了し、移行フローの中には、既存の RPA ツールから移行したフローと、Power Automate for desktop で新規に作成されたフローが含まれています。既存のRPA ツール導入時は、先ずはロボット化することを優先していましたが、Power Automate for desktop への移行をするにあたり、改めて業務の見直しを実施しました。その結果、業務自体の廃止や、全く新しい方法で業務を行うものも出てきたため、これまで利用していたフロー 約100 件のうち、約半数を廃止、それ以外のものを Power Automate に移行、または新規作成しました。既存の RPA ツールからの移行はデスクトップフローのみならず、クラウドフローへの移行も含まれており、ハイパーオートメーション*注を実現しています。
具体的には、クラウドフローには、コネクタのないシステムへのデータ登録・参照や、事務作業の自動化など、繰り返し行う必要があり、クラウドフローでできないものを Power Automate for desktop を使用して自動化させました。


既存ツールからの移行フロー数
*ハイパーオートメーション: ガートナー社が定義した、AI や RPA など複数の技術を組み合わせて、組織内の業務を自動化するアプローチのこと。

​​​​​​​
移行作業は 2024 年 1 月に開始し、最初は機能を確認するために必要なユーザーに限って利用しました。4 月からは本格的に移行を開始し、9 月には終了するという、短期間での移行を成功させました。
移行の際、技術的なサポートとして、既存の RPA ツールの知見がある有識者や、Power Platform の有識者に質問できるような体制を準備していました (下記図参照)。Power Platform は市民開発も実現できるツールであること、また移行後の自走化を意識し、移行後の実作業を担当する社員が自ら移行作業を行いました。技術的な課題が発生した場合、何かサポートが必要な際に、パートナー会社の移行プロジェクト窓口に問い合わせ、必要に応じて、製品ベンダーやダイハツ社内の DX 推進室に確認を取るような体制にすることで、大きな問題もなく、スムーズに移行作業が進みました。

 
移行体制

今後の展望

ダイハツ様は、Power Automate for desktop が市民開発のツールであり、クラウドフローも同時に使用することができるため、上手く組み合わせることで、さらなる業務効率化を図っていくことを検討しています。また、クラウドフローとの連携、スケジュール実行など、より幅広いシナリオに対応できるよう、さらに使用できる機能を追加していきたいと考えています。

お客様のコメント

Power Automate for desktop への移行を推進した、ダイハツ工業 DX 推進部の皆様はこのようにお話されています。
“Power Automate のクラウド版を当初は使用していたが、Power Automate for desktop を使用することでできることが増えた。RPA を使ってもいいところを慎重に検討しながら、クラウドフローと上手く組み合わせて業務効率化できれば。”
“Power Automate for desktop の魅力は、IT に明るくない人も使えること、ユーザーに分かりやすい単語が使われて検索しやすいこと。社内の DX ビジネス人材増加を目指し、どんどん広げていきたい。”


今回はダイハツ様の Power Automate for desktop への移行事例をご紹介させていただきました。
マイクロソフトは、Power Platform を通して、ダイハツ様のさらなる業務効率化を支援してまいります。


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