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コニカミノルタ様の Copilot Studio × ...
コニカミノルタ様の Copilot Studio × Power Platform で実現する1万人利用社内ヘルプデスク改革: 半年で約3.6人月工数削減
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Mami Uchida
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ギークフジワラ Innovation Hub Solution Engineer 日本マイクロソフト株式会社
はじめに
コニカミノルタ株式会社
は、光学技術とデジタルソリューションを軸に、情報機器、医療、産業用計測、映像、印刷など多岐にわたる事業を展開するグローバル企業です。2018年に国内グループ共通の社内ITサービスの問合せ対応の窓口としてAIチャットボット「リテラ」を導入しましたが、AzureベースのQ&A Makerのサービス終了に伴い、社内業務の効率化とユーザー体験の向上を目的として、Copilot Studioを基盤とした新たなナレッジエージェント新「リテラ」への移行を進めました。
導入支援を担ったのは、クラウド・デジタル変革に強みを持つ IT ソリューション企業、
コムチュア株式会社
です。クラシック SharePoint サイトからのデータ抽出や Dataverse 連携など、技術的な課題に対して柔軟かつ誠実な対応を重ね、プロジェクトの成功に大きく貢献しました。
新リテラ導入の背景
「リテラ」は社内ITサービスへの質問に対し、既存のFAQを元に一問一答形式で回答するチャットボットです。ユーザーはまずリテラに質問し、リテラは既存のFAQから回答します。回答が見つからなかった場合は有人窓口へ問い合わせを行います。旧リテラでは、SharePoint リストのFAQとチャットボットのナレッジの二重管理による運用負荷、情報更新のタイムラグ、複数のナレッジをまたがった回答ができない等のユーザー体験の限界など、複数の課題が顕在化していました。これらを解決するため、Copilot Studio と Power Platform を活用した新たな「リテラ」の導入が決定されました。
導入規模
利用ユーザー数:約1万人(国内グループ会社全体)
導入してから半年間で、約2,500件の質問に対応し、3.6人月の削減に成功
ピーク時の月間問い合わせ総数:約800件
※2025年5月では、有人受付620件に対しリテラ180件(23%)の問い合わせを対応
導入の全体像
新リテラの最大の特長は、Copilot Studio を活用した柔軟なナレッジ応答機能にあります。従来の定型的なFAQでの応答に加え、自然言語による曖昧な質問にも対応できる点が大きな進化です。UI は従来のリテラと同様に設計され、ユーザーが基盤の違いを意識せずに利用できるよう配慮されています。
新リテラの特長
新リテラは、複数のナレッジソースを統合し、関連情報をまとめて提示することで、より的確で網羅的な解決策を提供できる点も大きな特長です。
ドキュメント の更新が即時反映される仕組みや、 Dataverse との連携によるデータ管理の効率化など、運用面でも高い利便性を実現しています。これらの特長により、社内の問い合わせ対応をより スマートかつスピーディ = 人手を介さず手間をかけずに行えるようになりました。
旧リテラ
新リテラ
参照元
既存のFAQを加工した
QA
データ
既存のFAQ及び
手順書ドキュメントを
直接利用
回答データ
既定のQAから
固定の文言を表示
複数のナレッジソース
を参照して
文章を生成
質問カテゴリ選択
質問時に
ユーザー自身が選択
自動判定
(判定できない場合は
手動選択)
有人窓口連携
ユーザー自身が
メールで再問い合わせ
リテラとの会話結果を
自動送信
英語対応
非対応
部分的に対応
回答精度向上のため、トライアンドエラーを繰り返しながらデータ投入方法を工夫。Dataverseのあいまい検索や信頼スコアによるフィルタリングを生かして、ユーザーの質問への関連度がより高いデータを取得して回答を生成する仕組みを構築しました。Copilot Studio 標準のログ機能を拡張するオリジナルの Power BI のレポートを活用して利用状況の可視化を実現しました。
また、回答が得られなかった場合には、メールを自動作成し、ユーザーは必要な情報を加筆編集するだけで送信できる機能を追加し、ユーザーの手間を削減する工夫も施されています。
FAQ
の更新は、クラシック SharePoint サイトにあるリストを Power Automate を通じて Dataverse に連携することで、日次自動反映が可能となりました。これにより、FAQ の鮮度が保たれ、IT 部門のメンテナンス負荷も部署によっては50%削減されました。
コニカミノルタ、コムチュア、Microsoft 3社での安心の導入
開発と導入においては、コムチュア株式会社がクラシックサイトからのデータ抽出や Dataverse 連携などの技術的課題に対して、都度提案と解決を行い、プロジェクトの安定化に大きく貢献しました。
さらに、Microsoft 提供の Unified Support(企業全体を対象に、Microsoft製品・サービスに関するサポートを「必要なときに」「必要なだけ」受けられる柔軟なモデルの包括的なサポートサービス) による技術支援も重要な役割を果たしました。日々進化するCopilot Studio の仕様変更や Dataverse の運用に関する課題に対して、迅速かつ的確なサポートが提供され、開発チームの安心感とプロジェクト推進につながりました。
導入効果
利用者のメリット
新リテラの導入により、ユーザーは自然言語による曖昧な質問を入力することが可能となり、複数の FAQ を横断的に参照した総合的な回答が得られるようになりました。これにより、繰り返し質問する手間も省け、問い合わせ体験が大幅に向上しています。
運用者のメリット
FAQ
の更新は Power Automateを通じて Dataverse に日次自動反映される仕組みとしており、従来の手動更新作業も不要になりました。これにより、IT 部門のメンテナンス負荷が軽減され、FAQ 管理の効率化が実現されています。また、月間問い合わせ件数は約800件で、エージェントによる対応件数も別途集計可能で人手による対応の削減にもつながっています。
写真(左から):コムチュア株式会社 コラボレーション本部 コラボレーション第一部 システムエンジニア 高橋克人様、同 サブリーダー 川田彩花様、コニカミノルタ情報システム株式会社 ITサービス本部 オフィス・コミュニケーション部 古水知言様、同 グループリーダー 諸戸孝始様、コニカミノルタ株式会社 IT企画部 関さおり様
今後の展望と拡大計画
将来的には、他の業務領域にも応用し、対象ユーザーの拡大を狙っております。
マイクロソフトのQnAMakerサポート終了に伴い、チャットボット「リテラ」の廃止または再構築について検討を重ねました。その結果、いくつかの課題は残るものの、ユーザーからの継続的なニーズが明確となり、再構築を決断しました。今回の再構築では、単なる後継サービスへの移行に留まらず、対話型AIチャットボットの導入が不可欠と判断し、複数社からご提案をいただいた中でCopilot Studioを活用したプランを採用しました。構築プロジェクトの目標は、例外を除きほぼ達成できたと考えています。
今後は、今回の仕組みを他の業務領域にも展開し、さらなる業務効率化やユーザー体験の向上を目指していきます。また、AI技術の進化に合わせて、より柔軟で高度なサービス提供を実現できるよう、継続的な改善と拡張を進めてまいります。
コニカミノルタ株式会社
IT
企画部グローバルITインフラグループ 山本 勝巳(部長)様
参照元のマニュアルやFAQを更新するだけで自動的に回答に反映されることで、IT運用部門の業務効率が大幅に向上しました。また、網羅的な回答を生成できるため、ユーザーにとっても知りたい情報を迅速に見つけやすくなっています。使い勝手の良い自己解決ツールとして、今後のさらなる定着を期待しています。
コニカミノルタ情報システム株式会社
ITサービス本部 古水 知言(AIチャットボット「リテラ」運用担当)様
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