(本投稿は米国時間2021年11月23日付のブログ投稿の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。)
今回の発表内容
本日、Microsoft AppSource で提供しているアドオン機能のデータ エクスポート サービス (DES) のサービス提供を終了することを発表しました。DES は、お客様が所有する Azure サブスクリプションの Azure SQL ストアに Microsoft Dataverse のデータを複製できるサービスです。データ エクスポート サービスは、この発表から 1 年後となる 2022 年 11 月にサポートとライフサイクルが終了しますが、それまでは引き続き動作し、完全にサポートされます。今回の発表は、DES の後継サービスとなる Azure Synapse Link for Dataverse への移行にあたり、皆様に計画と導入のための十分な時間を確保していただけるようにすることを目的としています。
DES のサービス提供を終了する理由と後継サービスについて
データは新しい石油だと言われています。関連するデータを効率的に照合し、分析し、接続すれば、将来のビジネス上の意思決定に役立つインサイトを引き出すことができます。Dynamics 365 や最新のビジネス アプリケーションを利用しているお客様の多くが、膨大な量のビジネス データを生成し、Dataverse で安全に保存、管理するようになりました。データは現在の顧客、市場、競合他社の把握に役立つだけでなく、適切なツールを利用すれば、顧客が特定の行動を取る可能性を予測する傾向モデルの作成など、将来的な行動を理解するための高度なシナリオを実現できます。大量のデータからインサイトを引き出すには、高度なエンドツーエンドのツールが必要です。
その第一歩として、私たちは DES の提供を開始しました。それによってデータのエクスポートを可能にしたものの、データをストアにプッシュする以上の処理を実行できるものではなかったため、お客様はそのデータを分析してインサイトを取得するためのツールを探す必要がありました。これだと直観的に情報を引き出せないだけでなく、成功する保証もなく、時間がかかるばかりです。また、ソースのデータやメタデータが頻繁に変更される中で継続的に行わなければならないため、プロセスは複雑でした。
コミュニティとの対話では、多くの方から、AI や機械学習の実行、外部データセットとの統合、大量の Dataverse データの詳細な分析まで、Microsoft Dataverse のデータを利用した作業を 1 つのエンドツーエンドのツールで実行できるようにしてほしいという声が寄せられました。Azure Synapse Link for Dataverse は、この目標をエンドツーエンドで実現する単一の包括的なソリューションであり、Ignite 2021 で一般提供の開始が発表されました (英語) (注: Dataverse データを Azure Data Lake にエクスポートする機能は、2020 年 2 月に一般提供が開始されています)。複数のツールではなく、標準で組み込まれている Azure Synapse Link for Dataverse を使用することで、インサイト取得までの時間を短縮できます。
Azure Synapse Link for Dataverse とは
Azure Synapse Link for Dataverse を使用すると、Microsoft Dataverse のデータからインサイトをほぼリアルタイムで取得できます。数回のクリック操作で Dataverse のデータを Azure Synapse に取り込み、Azure Synapse ワークスペースでデータを視覚化し、データ処理を迅速に開始してから、サーバーレスのデータ レイク探索、コード不要のデータ統合、ETL (抽出、変換、書き出し) パイプライン用のデータ フロー、ビッグ データ分析用に最適化された Apache Spark などの高度な分析機能を使用して、インサイトを発見できます。企業のお客様は、使い慣れた T-SQL でビッグ データを分析し、そこからインサイトを取得できるほか、データ変換パイプラインを最適化して、Azure Synapse と他の Azure サービス (Power BI Embedded、Azure Cosmos DB、Azure Machine Learning、Azure Cognitive Services など) の緊密な統合を利用できます。
Azure Synapse Link for Dataverse のエクスペリエンスは、Azure Synapse ワークスペースを起動してすぐに実行できるため、迅速にデータを分析してインサイトを生成できます。
組み込み機能: データ取り込み、データ準備、機械学習
Azure Synapse Link for Dataverse の活用事例
Azure Synapse Link for Dataverse は、小売、医療、非営利団体、通信、政府機関など、さまざまな業界で利用されています。以下に、これらの業界における一般的な使用パターンの一部をご紹介します。
Dynamics 365 Sales のお客様は Azure Synapse Link for Dataverse を使用して、Dataverse データを Azure Synapse Analytics に取り込み、Azure Synapse Analytics Spark を利用して外部データを読み込むと共に、Azure Synapse Analytics Serverless SQL を利用して両方のデータセットを網羅するカスタム ビューを作成しています。データの準備が完了したら、Power BI を利用してカスタム データセットに接続し、前年比の収益レポートを作成します。また、Azure Synapse Analytics の組み込みの AI 統合を利用して、エクスポートした Dataverse データのカスタム予測を行っています。
世界中の多くのお客様が Azure Synapse Link for Dataverse を利用して、Dataverse の COVID-19 関連データを Azure Synapse Analytics に取り込んでいます。さらに、Azure Synapse Analytics Pipelines を利用してさまざまな研究施設からデータを取得し、データ フローを使用してデータを変換し、主要業績評価指標 (KPI) を算出して Power BI レポートに発行しています。これにより、地域の COVID-19 の状況に関するカスタムの分析、追跡機能を作成できます。また、多くの政府機関が Azure Synapse Link for Dataverse を使用して個人用防護具 (PPE) の在庫を追跡するソリューションを作成し、パンデミック中に医療従事者が患者の治療に必要な機器や物資を確保できるようにしています。
レポートを作成したり、AI や機械学習を実行したりする以外のユース ケースとしては、Azure Synapse Analytics の Dataverse データと外部データを組み合わせ、Customer Insights と統合して Dynamics 365 Marketing のセグメンテーション機能を強化し、正確なオーディエンス ターゲティングとキャンペーン効果の向上を実現している例もあります。
マイクロソフトによる Azure Synapse Link for Dataverse の導入サポート
サービス提供の終了には負担が伴うため、慎重になる必要があります。お客様は新たな機能を導入する必要があり、それは一晩で完了するほど簡単な作業ではありません。そこで、お客様の Azure Synapse Link for Dataverse への移行計画を支援するために、「Data Export Service Deprecation Playbook」を作成しました。このプレイブックは、準備、計画、導入の各フェーズについて説明するもので、お客様が現行の使用パターンを評価し、それを Azure Synapse Link for Dataverse の対応するシナリオに移行するための手順をステップバイステップで紹介します (日本語資料ダウンロード)。
次のステップ
データ エクスポート サービスは引き続き動作し、完全にサポートされますが、この発表から 1 年後となる 2022 年 11 月のサポートとライフサイクルの終了時まで、新機能が追加される予定はありません。そのため、早期に Azure Synapse Link for Dataverse の導入プロセスの計画を開始していただくようお願いします。マイクロソフトが提供するドキュメントとステップバイステップ ガイドを活用して、Azure Synapse Link for Dataverse をテスト運用し、現行のシナリオを Synapse Link に移行する方法をご検討ください。お客様のシナリオに該当するものがない場合や、ご不明な点がある場合は、des-synapselink@service.microsoft.com までご連絡ください。
この機会にデータを有効活用するための取り組みを開始して、自社の分析に関するニーズを特定し、データをインサイトに変換して、効果的なビジネス上の意思決定にお役立てください。

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