(本投稿は米国時間2022年10月12日付の ブログ投稿 の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。)
Microsoft Ignite 2022 では、AI、自動化、コラボレーションの新しいソリューションを紹介します。これらのソリューションは、業務の効率化、チームや部門間の連携改善、革新的なカスタマー エクスペリエンスの実現をサポートするものです。人、データ、プロセスのつながりを強化すれば、ビジネスの俊敏性が向上し、複雑さが軽減されるため、最小のリソースで最大の成果を出せるようになります。
特別セッションの Into Focus では、リリース ウェーブ 2 (年 2 回の大型リリースの 2 回目) で導入される上記機能やその他の新機能を紹介します。お客様が変化に適応し、イノベーションを推進し、営業からカスタマー サービス、サプライチェーン、財務までの組織全体にわたるプロセスを刷新するのにお役立ていただけるはずです。
製品アップデートの概要
AI と自動化の新機能でより効率的に:
- 新しい営業担当者向けアプリケーションである Microsoft Viva セールスの一般提供を開始しました。これを活用することで、営業担当者が商談成立に集中できるようになります。
- Microsoft Dynamics 365 Sales Enterprise と Viva セールスで追加費用なしで利用できる会話インテリジェンスによって、営業活動におけるすべての会話を営業担当者にとって有益なものに、また、顧客にとって魅力的なものにすることができます。
- Dynamics 365 Sales の営業活動シーケンスを作成する機能では、一貫性のある営業プロセスを実現できます。
- Microsoft Dynamics 365 Customer Service では、AI が作成する会話サマリーによって、カスタマー サービス オペレーターが顧客に適切に対応できるようになります。
Microsoft Teams と Microsoft Dynamics 365 の新たな統合により、仕事の流れの中でコラボレーションが可能に:
- Microsoft Dynamics 365 Customer Service 内から直接 Teams を介して、特定分野のエキスパートと簡単にコラボレーションし、複雑なサポート案件を迅速に解決できます。
- Teams ユーザーが Dynamics 365 Business Central のデータにアクセスできるようになります (Dynamics 365 ライセンスがなくても可能)。
AI と自動化による従業員と顧客のエクスペリエンスの向上
マイクロソフトは、ビジネス プロセスへの AI と自動化の組み込みを継続し、効果的なカスタマー ジャーニーの実現を後押ししたいと考えています。今回紹介する新機能では、マーケティング担当者、営業担当者、カスタマー サービス オペレーターがカスタマー エクスペリエンスを高度にパーソナライズできるよう支援します。
Dynamics 365 Sales Enterprise と Viva セールスに無制限の会話インテリジェンス機能を導入
新しい AI 機能を使用すると、営業担当者は優先度の高い仕事を見極め、前後関係を失わずにコラボレーションして、より確実かつ効率的に顧客とかかわる時間を確保できます。
一般提供が開始された Viva セールスは、営業担当者のエクスペリエンスを向上させる新しいアプリケーションです。CRM (顧客関係管理) システム、Microsoft 365、Teams を連携させ、AI を活用した効率的な営業エクスペリエンスを提供します。Microsoft 365 (Outlook のメール、Teams のチャット) から顧客や取引に関するインサイトを引き出し、それを CRM システムに取り込むことでデータ手入力の手間をなくし、営業活動に専念できるようにします。
また、Teams 通話で顧客と話をしているときに、会話インテリジェンス機能によって会話の記録と文字起こしを行い、詳細な議事録を作成できます。この議事録は、通話中のセンチメントを確認したり、会話に関する有益な KPI (営業担当者が話している時間と聞いている時間の割合など) を把握したりするのに有用です。
マイクロソフトは、会話インテリジェンスが営業担当者の顧客へのかかわり方を変えると確信しており、できるだけ多くの営業担当者に利用していただきたいと考えています。そこで、Microsoft Dynamics 365 Sales Enterprise ユーザーと Viva Sales ユーザーには、追加料金なしで会話インテリジェンスのフル機能を利用していただけるようにしました。
他にも、営業向け会話インテリジェンスに関して以下のような機能更新があります。来年の早い時期にプレビューを開始する予定です。
- 会話中のリアルタイムのコンテンツ提案: 営業担当者が Teams の通話や会議で顧客とやり取りしているときに、共有すべきコンテンツや会話に役立つ情報 (製品や価格の詳細、バトル カードなど) がリアルタイムに表示されます。
- 推奨されるリソースとインサイト: 会話のポイント、重要な発言内容、顧客センチメント、会話の姿勢などは、営業戦略の成功のカギとなる要素や、業績に直結している営業担当者の振る舞いを深く理解するための材料となります。
- メール インテリジェンス: CRM で更新すべきデータを提案し、営業担当者の業務をお手伝いします。
会話インテリジェンスの詳細については、こちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。Viva セールスで可能になることについては、こちらの記事 (英語) をご覧ください。
営業活動シーケンスを作成する新機能でセールス ジャーニー オーケストレーションを実現
Dynamics 365 Sales には、AI を活用した営業シーケンス機能も新たに登場します。この機能では、営業プロセスで順番に実行すべき一連のアクティビティを作成しておき、次に何をすべきかを営業担当者がすぐにわかるようにすることができます。営業シーケンスを利用すると、統一されたカスタマー ジャーニーを構築し、顧客と営業担当者にとって最善のエクスペリエンスを実現できます。
この機能強化は、Dynamics 365 Sales と Dynamics 365 Marketing の多数の新機能の一部です。それらを通じて、リアルタイムのジャーニー オーケストレーションによるモーメント ベースのマーケティングが可能になり、AI を活用して、マーケティングの規模を拡大し、成熟度をさらに引き上げることができます。
動画で紹介していますので、Dynamics 365 Sales 2022 リリース ウェーブ 2 のリリース ハイライト (英語) をご覧ください。
常に顧客の期待を上回れるようカスタマー サービス オペレーターを支援
顧客の満足度と維持率にかかわる最前線の業務を担うカスタマー サービス オペレーターには、顧客が求めるパーソナライズされたサポートを幅広く提供するための最先端のツールが必要です。2022 リリース ウェーブ 2 では、AI と自動化をあらゆるエンゲージメント チャネルに組み込んでコンタクト センターを強化することに重点を置いています。
今年の初めには、オープンで拡張性の高いコラボレーション コンタクト センター ソリューションである Microsoft Digital Contact Center Platform をリリースしました。このプラットフォームは、Dynamics 365、Teams、Microsoft Power Platform、Nuance をベースとし、業界最高レベルの AI によって、セルフサービス エクスペリエンス、リアルタイムのカスタマー エンゲージメント、オペレーター向けコラボレーション エクスペリエンス、ビジネス プロセス オートメーション、高度なテレフォニー機能、不正防止機能を強化します。
今回は、オペレーターが組み込みの Teams 機能を使用して会話しているときに、AI でその要約を自動生成する機能を Dynamics 365 Customer Service に導入します。これにより、わかりやすくまとめられた自動生成の会話サマリーを通じて、顧客の問題の概要やオペレーターが解決を試みた結果などの背景情報を共有し、問題解決を加速できます。また、オペレーターはチャット履歴を確認して、これまでの経緯や関連情報を把握できます。これは、カスタマー サービス オペレーターが別の担当者にサポート案件を引き継ぐ場合に特に便利です。
この機能は、Dynamics 365 Customer Service の一部としてプレビュー中で、2022 年 10 月に一般提供を開始する予定です。
動画の Dynamics 365 Customer Service の 2022 リリース ウェーブ 2 のリリース ハイライト (英語) をご覧ください。
Teams と Dynamics 365 で仕事の流れを止めないコラボレーション方法がさらに充実
昨年の Microsoft Ignite では、Dynamics 365 と Microsoft 365 の機能セットである Context IQ を発表しました。これは、ビジネス ユーザーが Dynamics 365 や Microsoft 365 のアプリケーションから離れることなく、仕事の流れの中でドキュメントやレコード、組織の同僚、会話にアクセスできるようになる機能です。
Dynamics 365 Sales には既に Teams が組み込まれており、営業担当者は他の担当者や特定分野のエキスパートと協力して、迅速に商談を成立させることができるようになっています。そして今回、この Teams の統合エクスペリエンスを他の Dynamics 365 アプリケーションにも拡張します。
現在はプレビュー中で、2022 年 10 月に一般提供を開始し、カスタマー サービス オペレーターが Dynamics 365 Customer Service から Teams チャットを使って同僚と連携できるようになります。これにより、オペレーターは他部門の担当者、上司、カスタマー サービス部門の同僚、サポート エキスパートなど、特定の分野に詳しい組織内の人々と簡単にコラボレーションし、複雑なサポート案件を迅速に解決できます。Teams でのチャットが Customer Service レコードと直接結び付き、経緯を確認しながらやり取りできます。
中堅中小企業 (SMB) のお客様に向けては、2022 リリース ウェーブ 2 の Dynamics 365 Business Central の更新に Teams でのコラボレーションとデータ共有の新しい機能が含まれており、2022 年 11 月 4 日より、Teams ユーザーは Dynamics 365 ライセンスの有無にかかわらず、コラボレーション アプリ内から Business Central のデータにアクセスできるようになります。ビジネス レコードへのアクセスを制限するには、管理者が権限とアクセス許可のルールを設定します。これより、Business Central ユーザーは仕事の流れの中で組織内のユーザーを招待し、場所を問わずコラボレーションすることができます。
Business Central が Teams に組み込まれることで、互いのつながりのある場所で重要な施策やプロジェクトに関するコラボレーションが可能になります。SMB のお客様は、チーム メンバー全員で Context IQ を活用して、働く場所や働き方に関係なく適切な情報やインサイトにアクセスできるようになります。
関連情報
この記事でご紹介した機能は、2022 リリース ウェーブ 2 で提供する数百もの新機能や機能更新のほんの一部です。10 月 12 日 (水) 午後 3 時 (太平洋標準時) からライブ配信する Microsoft Ignite Into Focus セッションにオンラインでご参加ください。新たなイノベーションをいち早くチェックできるチャンスです。後日オンデマンドでも視聴していただけます。リリース ウェーブ 2 の新たなイノベーションを概説するほか、それらの新技術を活用して優れた業務オペレーションとカスタマー サクセスを実現しているお客様についてもご紹介します。
Dynamics 365 と Power Platform の詳細なリリース計画については、ロードマップもぜひチェックしてみてください。
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