(本投稿は米国時間2021年11月2日付のブログ投稿の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。)
Microsoft Ignite 2021 では、Power Virtual Agents の新機能が発表されました。マイクロソフトは、シチズン デベロッパーやビジネス ユーザーからプロ開発者に至るインテリジェントな会話ボットを作成するあらゆる人が、シームレスで安全に、拡張可能な仮想オペレーターを構築できるよう継続的に支援しています。
本日は次の新機能を発表しました。
- ボットのフュージョン開発によるコラボレーションの促進。Office に似たコラボレーション コメント機能を使用してコメントを作成キャンバス内に直接追加 (プレビュー)
- オールインワンのコンタクト センターを構築。Dynamics 365 Customer Service の対話型音声応答 (IVR) を介して電話対応にボットを接続し、コンタクト センターをサポート (一般提供)
- 既存の Bot Framework ボットを拡張。Power Virtual Agents をスキルとして追加 (プレビュー)
- Microsoft Teams 内のボットに対する強化と更新
- Microsoft Teams のプロアクティブ メッセージの送信。ボット作成者が Microsoft Teams 内のユーザーやグループに対し、外部のトリガー イベントに基づいて、コンテキストに完全に一致したメッセージをプロアクティブに送信できる (プレビュー)
- セキュリティ グループを通じてボットを同僚と共有。ボットにアクセスできる人とできない人を簡単に管理 (一般提供)
- Teams 内のボットの直接メンション機能とインタラクション機能。ボット作成者がボットを作成し、Teams のチャネルに直接追加し、チャネル内のメンバーがボットの応答を確認できる (近日公開予定)
ボットの構築は Power Virtual Agents で始められます。Wave 2 リリースの詳細については、Ignite のセッション (英語) とこのブログの残りの部分をご確認ください。
Power Virtual Agents で Office に似たコラボレーション コメント機能を提供 (プレビュー)
以前のブログで、フュージョン チームが促進するボット構築の未来 (英語) について紹介しましたが、その後、Power Virtual Agents の作成キャンバスに Office に似たコラボレーション コメント機能が追加されたことを発表しました。
この機能を使用すれば、Word、Excel、PowerPoint のコメント機能と同じように、ボットのコンテキスト内でフィードバックのメモを残したり、他の人と直接やり取りしたりすることができます。
たとえば、変更が必要になりそうなトピック ノードについて担当者に連絡したり、プロの開発者に Bot Framework Composer を通じて高度な機能を追加するように依頼したりなど、Power Virtual Agents のボットのトピックにコメントを残して、他の人を開発プロセスに招くことができます。
このエクスペリエンスは、Microsoft Office でお馴染みの操作と同じになるように設計されており、コメントの追加や編集、スレッドへの返信、スレッドの解決や削除を適切かつ簡単に行えるようにしています。これによって、インテリジェント ボットの構築中に全員の足並みを揃えられます。
この機能は現在プレビューで提供されており、Power Virtual Agents でボットを作成する際に使用できます。作成キャンバスに移動して、[コメント] ペインを開き、トピックやトピック内の特定のノードにコメントを追加すると、複雑なボットの構築でも適切にコラボレーションを行えます。
この数か月のうちには、ボット構築プロセス上のコラボレーションをさらに強化するために、コメント内で他のボット作成者に @メンションできるようにする予定です。また、それがメールで通知されるようにもします。さらに、この Office と同様のコメント機能を Power Platform のさらに広範囲に導入 (英語) するための投資も行っています。
「フュージョン チームによるボット構築」討論セッション (英語) では、ボット構築プロセスでのコラボレーションについて皆様の考えを共有できる機会がありますので、ぜひサインアップしてみてください。
オールインワンのコンタクト センター: Dynamics 365 Customer Service の対話型音声応答 (IVR) を通じて、電話対応にボットを接続 (一般提供)
会話型 IVR は、電話対応の最新技術です。これを使用すれば、電話をかけてきた顧客が音声案内を延々と聞かされるようなことはなくなります。電話の発信者は普通に話すだけで、IVR が適切なトピックに振り分け、問題解決を試みます。
Power Virtual Agents は Dynamics 365 Customer Service と連携するように構成され、皆様に会話型 IVR 機能を提供できるようになりました。マイクロソフトが提供する最先端の自然言語機能と音声機能により、会社にかかってくる電話に応答するボットや顧客との通話で音声会話を行うボットを簡単に構築、保守できます。これにより、顧客からの質問にすばやく答えられるようになるだけでなく、サービス コストも削減できます。
発信者がボットとやり取りする際、音声サービスがその発信者の発話を正確に認識し、人間の声とほとんど区別のつかないニューラル音声によって会話をします。また、Power Virtual Agents の AI 機能が発信者の要求をトピックとマッチングさせ、シームレスな音声エクスペリエンスを提供します。
発信者は、Power Virtual Agents がサポートする 19 の言語のうち、自分の好きな言語でボットと自然に会話することができます。言語ごとに異なる番号に電話をかける必要はありません。ボットが必要に応じて他言語のボットに電話を転送するため、発信者は最も安心できる言語でやり取りすることができます。
何らかの理由で電話を人間のオペレーターにつなぐ必要がある場合は、トピック内のシンプルなエスカレーション アクションを使用して、Dynamics 365 Customer Service 内の人間のオペレーターに簡単に転送できます。
Dynamics 365 Customer Service では、新しい電話番号を取得してボットを関連付けるか、ダイレクト ルーティングで既存の番号を使用して、すぐに通話を開始することもできます。IVR エクスペリエンスの構築をゼロから始める場合も、既存のシステムから移行する場合も、Power Virtual Agents をインテリジェントな会話型 IVR のためのソリューションとして使用できます。
この新機能により、発信者は音声案内に従って操作する時間が減り、その分を実際の問題解決に費やせるようになります。また、人間のオペレーターへのエスカレーションが必要なケースも最小限に抑えられます。
詳細については、「Dynamics 365 Customer Service 向け音声チャネルの導入」ブレークアウト セッション (英語) でご覧いただけます。また、Dynamics 365 Customer Service を使用した会話型 IVR を Power Virtual Agents ボットで強化する方法の詳細な手順については、こちらを参照してください。
Power Virtual Agents を Bot Framework ボットのスキルとして使用する (プレビュー)
ボット作成者が Power Virtual Agents で Microsoft Bot Framework スキルを使用できるようになりました。Ignite での発表のとおり、Bot Framework ボットを簡単に拡張できます。Power Virtual Agents をスキルとして追加し、その機能を実行時に呼び出すことができます。現在はパブリック プレビュー (英語) で提供されており、ボット作成者は、両方のボットをスキルとして双方向に使用することを選択できるため、自分のニーズに合う最適なツールを使用できます。
ビジネス ユーザーや業務のエキスパートは、Power Virtual Agents ボットを作成し、そのボットをスキルとして開発者に提供できます。これにより、ボット作成者が Bot Framework ボットのエコシステムを Power Virtual Agents の機能に簡単に拡張できます。
Power Virtual Agents ボットがスキルとして追加されると、Bot Framework ボットは、ユーザーのクエリが Power Virtual Agents のボットのトリガー フレーズと一致するかどうかを判断します。
一致した場合、Bot Framework ボットが Power Virtual Agents ボットを呼び出し、ユーザーの発話全体を渡します。その後、エンティティの抽出が行われ、Power Virtual Agents の適切なトピックが自動的に開始されます。
ボット作成者は Power Virtual Agents ボット スキル マニフェストをダウンロードし、それを使用して Bot Framework Composer や SDK でスキル接続を作成できます。Power Virtual Agents ボット スキル マニフェストは、ボットの内容に基づいて自動的に生成されます。
またボット作成者は、特定の Power Virtual Agents ボットに対してどの Bot Framework ボットの接続を許可するかを明示的に制御できます。
詳細情報と、利用開始のステップバイステップの手順については、「Power Virtual Agents ボットをスキルとして使用する」を参照してください。
Microsoft Teams 内の Power Virtual Agents に対する強化と更新
Microsoft Teams 内での Power Virtual Agents (PVA) ボットの作成時と使用時のエクスペリエンスを改善するために、いくつかの機能が追加されました。実際の機能は、「ビジネスの未来はシームレスなコラボレーションにある」ブレークアウト セッション (英語) でご覧いただけます。
Teams ユーザーにプロアクティブ メッセージを送信する (パブリック プレビュー)
Microsoft Teams 内の個人チャットを通じて、Power Virtual Agents がプロアクティブにメッセージやカードを送信できるようになりました。この機能を使用することで、経費報告書の承認の通知や、緊急連絡先情報の更新を促す通知など、さまざまなシナリオを大きく拡張できます。この機能の最も良い点は、たとえば「緊急連絡先情報のプライバシーはどのように保護されているか」など、後に続く質問に答えるトピックを Power Virtual Agents に含められることです。
この連携は、Power Automate 内で既存の Microsoft Teams アクションがメッセージやカードを投稿することによって実現されます。Power Platform エコシステム内の高機能なトリガーやアクションをすべて活用できるので、ワークフローの適切なステップで PVA ボットからユーザーにメッセージを送るといったことが可能です。
PVA ではプロアクティブにメッセージを送信し、ユーザーから応答を受け取ることができます。Power Automate の Microsoft Teams アクションで「Power Virtual Agents として送信 (プレビュー)」を選択し、メッセージを送信する PVA ボットを指定します。この機能の詳細については、「Teams ユーザーにプロアクティブ メッセージを送信する (英語)」を参照してください。
ボットを共有する (一般提供)
部門内や組織内で、特定のチーム向けではなく、動的なユーザー グループを対象としてボットを構築することは珍しくありません。たとえば、複数の製品に対して複数のフィールド担当者が存在し、その人々が複数のチームに分散しているとします。しかし、そのすべての担当者が顧客の連絡先情報を検索する必要があるという場合などです。このようにフィールド担当者だけがアクセスできるボットを作りたい場合、どうすればよいでしょうか?
こうしたケースのために、今回、特定のセキュリティ グループ間でボットを共有できるようにしました。共有されたボットを、ユーザーが Microsoft Teams アプリ ストアの「同僚による構築」セクションで直接検索して、インストールすることができます。また、インストール リンクやメール通知から直接インストールできるようにすることも可能です。共有されたセキュリティ グループのメンバーのみがボットのインストールやチャットを行えるため、データ漏えいを心配する必要はありません。この機能の詳細についてはこちらを参照してください。
チャネル内でボットに @メンションする (近日公開)
Microsoft Teams 向けに構築されたボットは、現在、チーム メンバーがそれぞれ個人用アプリとしてインストールする必要があり、Microsoft Teams 内でプライベートなチャットを行うことできます。
Power Virtual Agents では今後、ボットを Microsoft Teams に組み込めるようになり、そのボットが作成されたチームに直接追加されます。また、チーム メンバーは、チームのチャネルでボット名を @メンションすることでそのボットと直接対話することができ、そのチャネルの全員がボットの応答を見ることができます。たとえば、製品設計チームがチーム メンバーと製品設計のベスト プラクティスを共有したい場合、単純にチャネル内のボットに質問をすれば、全員がその応答を見ることができます。
チャネルでボットを利用するとすばらしいコラボレーションを実現できますが、状況によっては、チーム メンバーから干渉されることなく、プライベートにボットと対話したい場合もあります。そのような場合のために、ボットをチームに追加する際、各チーム メンバーと個人的に会話できるようにボットを許可できるようになります。これにより、各チーム メンバーは各自でボットをインストールしなくても、個人的な会話 (設計ソフトのインストール方法を尋ねるなど) を行うことができます。
この機能は数か月以内にリリースされる予定です。
ここでご紹介した Power Virtual Agents 機能の一部はプレビュー段階です。コミュニティ フォーラム (https://aka.ms/pvacommunity、英語) で皆様からのフィードバックをお待ちしています。
参考情報
Microsoft Ignite (英語) では、ここで取り上げた最新情報についてさらに詳しく知ることができます。ぜひ以下のセッションをチェックしてください。
Power Virtual Agents 関連セッション:
- 「ビジネスの未来はシームレスなコラボレーションにある」ブレークアウト セッション (英語)
- 「フュージョン チームによるボットの構築」討論セッション (英語)
- 「Dynamics 365 Customer Service 向け音声チャネルの導入」ブレークアウト セッション (英語)
Power Platform 関連のその他のセッション:
- 1 日目の Scott Guthrie による基調講演 (英語) - Power Platform とフュージョン チーム
- 1 日目の Charles Lamanna と Alysa Taylor による基調講演 (英語)
- 2 日目の Julie Strauss によるセッション (英語) - Power Platform とフュージョン チーム
- 2 日目の Power Platform リーダーシップ チームによるセッション (英語) - 注目: ビジネス アプリケーション
- オンデマンド セッション (英語) - RPA と Process Advisor
- オンデマンド セッション (英語) - Power Platform で安全なソリューションを構築する
- オンデマンド セッション (英語) - フュージョン チームが組織の迅速なアプリ開発を後押しする
- オンデマンド セッション (英語) - Power Apps の最新情報を詳しく紹介
- オンデマンド セッション (英語) - AI Builder でビジネスにインテリジェンスを追加する
- オンデマンド セッション (英語) - ローコード ソリューションで安心して職場に復帰する
Power Virtual Agents in a Day イベントへのサインアップ:
- お客様向け: Power Virtual Agents in a Day イベント (英語)
- パートナー様向け: Power Virtual Agents in a Day 向けのトレーナーズ トレーニング イベント (11 月 30 日) (英語)
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