Power Platform Conference: コミュニティ、コラボレーション、キャリアアップの祭典
(本投稿は米国時間2022年5月31日付のブログ投稿の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。)
今回の Power Platform Conference では、ユーザーがローコードを学習するための新たな機会や、より多くの環境で実行できるアプリを作成するための新機能が発表されました。
経済の先行きが不透明な今、新しいスキルを習得し、キャリアアップを図り、ユーザー コミュニティに参加することを求める人が増えています。マイクロソフトのローコード トレンド レポート 2022 (英語) によると、ローコードまたはノーコード プラットフォームのユーザーや潜在的ユーザーの 80% 以上が、技術的なスキルアップに投資してくれる企業で働きたいと答えています。
今回初開催となるマイクロソフトの Power Platform Conference (英語) では、初日からローコードによるスキルアップの機会をご提供します。マイクロソフト コミュニティ主導のこのイベントでは、Microsoft Power Platform コミュニティの情熱と創意工夫を称えながら、参加者の皆様がローコード テクノロジに関する新しいスキルを習得できるよう支援します。また、Microsoft Power Platform を活用してキャリア チェンジに成功した方々の事例もご紹介します。Power Platform Conference には、マイクロソフトのローコード分野のソートリーダー、コミュニティ エキスパート、パートナー様、お客様が世界各地から集まり、Microsoft Power Platform コミュニティと専門知識や感謝の気持ちを分かち合います。
このイベントの実現に向けて尽力いただいた Microsoft Power Platform コミュニティ (英語) に感謝します。過去のすべてのイベント、ユーザー グループ、ハッカソン、ブート キャンプの積み重ねがあってこそ、この瞬間が実現されたのです。皆様のベスト プラクティス、技術的なスキル、成長の機会を集約することで、コミュニティ全員の成長につながる強固なサポート ネットワークが構築されました。私たちは皆様の体験談や貢献いただいたことからインスパイアされ、ローコードの学習に関心を寄せる人々への支援を深めることができています。
すべてのアプリ作成者とそのユーザーにとって、このプラットフォームがよりコラボレーションしやすいものになり、直観的かつ生産的に活用していただけるよう、今回、新しいプログラムと新機能を発表しました。その一部を以下にご紹介します。
- Power Up スキルアップ プログラム: 技術分野のバックグラウンドを持たないユーザーによるローコード テクノロジの知識とスキルの習得とキャリアアップを支援するスキルアップ プログラム
- Microsoft Power Apps のカード: Microsoft Teams や Microsoft Outlook などで直接アダプティブ UI (ユーザー インターフェイス) を使用して、マイクロアプリを設計、配信できる軽量な新機能
- Power Apps の共同編集: Microsoft 365 の共同編集機能と同様、アプリ作成者と開発者が同じアプリを同時に設計、開発できる機能
- SAP 統合の強化: SAP データを Microsoft Power Platform ソリューションに接続するための新機能と機能強化
- Power Apps の統合型仮想オペレーターによるアプリ作成者どうしのマッチング: 組織のアプリ作成者ネットワークを最大限に拡張することを目的とした (Power Virtual Agents を活用した) 会話型ボット
Power Up スキルアップ プログラムの発表
マイクロソフトのローコード トレンド レポート 2022 (英語) によると、ユーザーの 80% が、Microsoft Power Platform を使用することで転職先での採用の可能性が高まったと回答しています。Microsoft Power Platform を通じて、さらに多くの皆様のキャリアアップを支援したいと考えています。
そこで、シチズン デベロッパーによる主要なローコード スキルの習得とキャリアアップを支援する新しい Power Up スキルアップ プログラムを発表します。このプログラムは、現在の業務内容をさらに充実させたい方から、キャリアを転向してローコード開発のシチズン デベロッパーになりたい方まで、幅広いご要望にお応えします。Power Up プログラムのページ (英語) では、キャリア転向の成功事例を多数ご紹介しています。
このプログラムでは、3 か月間のガイド付きカリキュラムに加えて、自習、演習、アプリ開発課題、講師主導のセッションが提供されるほか、強固につながり積極的にサポートしてくれる Microsoft Power Platform コミュニティに参加して、知識を得ることができます。Microsoft Power Platform の認定資格、トレーニング受講券、コミュニティの認定バッジにより、参加者はシチズン デベロッパーとしてのキャリア パスを辿るために必要な資質と自信を身に付けることができます。
また、Microsoft Power Platform エキスパートの皆様のご参加もお待ちしております。質疑応答やウェビナーの開催、評価のサポートなど、ボランティアとして皆様のお時間と専門知識を役立てていただき、このプログラムがさらに有意義なものになるようご協力をお願いいたします。
プログラムへの応募方法、スキルアップの開始方法、ボランティアとしての参加方法の詳細については、Power Up プログラムのページ (英語) をご覧ください。
Microsoft Power Platform の今後の新機能
Power Apps のカード
特に Teams を使用している場合は、ローコードによってアプリ ユーザーが業務を行いやすくなります。一方、ハイブリッド環境では、あるアプリで業務を遂行し、別のアプリで同僚とコラボレーションを行っていると、アプリを切り替えるたびに負担が増えていきます。
そこで、Power Apps のカードを発表しました。Teams や Outlook を離れることなくデータを共有、収集、接続したり、重要なビジネス上の意思決定を行ったりするためのマイクロアプリを作成し送信できる軽量な新機能です。
カードのベースとなるアダプティブ カード (英語) は、プラットフォームに依存しない UI スニペットのフレームワークとして人気があり、開発者が何億人ものユーザーにアプリを提供するために使用しています。今後、ローコード開発者は、Power Apps デザイナーの使い慣れたドラッグ アンド ドロップ操作、さらには Microsoft Power Fx との統合を使用して、カードを作成できるようになります。
新しいカード デザイナーは当初から、今日のリッチでインタラクティブなプラットフォームをターゲットとして構築されており、投票、データ収集、アンケート、高度なビジネス ユース ケースなど、ビジネスに目的を絞った効率的なエクスペリエンスを提供します。
カードは、近日中に Power Apps でプレビューとして提供される予定です。詳細については、Power Apps ブログ (英語) をご覧ください。
Power Apps の使い慣れたデザイナーを使用して、ボタンやその他のコンポーネントをカードに簡単にドラッグ アンド ドロップできます。
Power Apps の共同編集
アプリ構築時のコラボレーションを強化する機能として、Power Apps の共同編集を発表しました。共同編集はコメント機能をベースに構築されており、どのような経歴を持つ開発者でも、Microsoft 365 に似たエクスペリエンスを使用してリアルタイムで同時にアプリケーションを編集できます。
共同編集により、プロの開発者からシチズン デベロッパーまで、複数のアプリ作成者が同時にアプリに変更を加え、その変更をリアルタイムで確認できるようになります。その結果、チームが協力してイノベーションを行い、プロの開発者とビジネス分野のエキスパートがつながりを強化することができます。これは、ローコード開発の成果を最大限に高めるうえで非常に重要な要素です。
共同編集は、来月中にプレビューとして提供される予定です。詳細については、Power Apps ブログ (英語) をご覧ください。
SAP 統合の強化
シームレスなコラボレーションは、ローコード テクノロジを最大限に活用するためのカギであり、事前構築済みのソリューションを活用することは、組織内の課題を迅速に解決するためのカギとなります。とりわけ基本的な生産性シナリオにおいて、SAP と Microsoft Power Platform の統合はコミュニティにとって非常に重要です。Clear Software の買収 (英語) により、このたび Microsoft Power Platform には SAP のビジネス プロセスの迅速化に特化した 150 種類以上の Microsoft Power Automate クラウド フローと 25 種類以上の Microsoft Power Apps が追加されました。
これらのアプリとフローは、数時間以内に運用を開始できるように設計されており、O2C (Order to Cash) や P2P (Procure to Pay) などの各種シナリオに対応します。
詳細については、こちらの Power Automate ブログ (英語) をご覧ください。
Power Apps の統合型仮想オペレーターの発表
アプリ作成者が開発作業を進めるうえでは、適切なサポート リソースを見つけることが非常に重要です。そのような場合に役立つのが、統合型仮想オペレーターです。
(Power Virtual Agents を活用した) 仮想オペレーターは、アプリ開発プロセスに役立つ外部の関連リソースを表示し、社内のアプリ作成者コミュニティ全体における知識の構築を促進します。
Power Apps の統合型仮想オペレーターは現在提供中です。詳細については、Power Apps ブログ (英語) をご覧ください。
Power Apps の仮想オペレーターによるアプリ作成者のマッチング
Power Apps によってアプリ開発に貢献できる従業員が増えると、学習、能力開発、メンタリングの必要性も高まります。統合型仮想オペレーターは、アプリ作成者のマッチングにより、アプリ作成者がコラボレーションを促進し、アプリを効率的に構築して、Power Apps コミュニティを活用できるようにします。
アプリ作成者のマッチング機能は、必要なときに直接サポートを提供する適切なスキルを持つ経験豊富なアプリ作成者、アドバイザー、社内コミュニティ メンバーとアプリ作成の初心者をインテリジェントにつなぎます。この機能は、統合型仮想オペレーターで近日中にプレビューとして提供される予定です。
次のステップ
初開催となる今回の Power Platform Conference にご参加のコミュニティ メンバーの皆様、お客様、パートナー様、マイクロソフトの従業員の皆様に感謝を申し上げます。有意義な時間を過ごしていただければ幸いです。次回の Microsoft Ignite (10 月 12 ~ 14 日開催) でもお会いできることを楽しみにしています。
Power Platform Conference の会場に直接お越しになれない方は、Twitter や LinkedIn で「#MPPC22」を検索するか、Twitter の @PowerPlatformConf をフォローして、カンファレンスの模様をご確認ください。
そして最後に、ご興味のある方はぜひ Microsoft Power Platform コミュニティ (英語) にご参加ください。お待ちしています。

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