Dynamics 365 Marketing の画期的な新機能、カスタマー ジャーニー オーケストレーションの一般提供を開始
本投稿は米国時間8月2日付の ブログ投稿の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。
今日のカスタマー エンゲージメントにおいては、情報があふれる中でも顧客に自社の声が適切に届くようにすること、また、創造的でユニークなサービスを提供できるようにすることが重要です。顧客は価値を求めており、自身のニーズを満たすことに努めてくれる企業を必要としています。企業は、まず顧客を深く理解することから始め、次に、その情報に基づいて顧客にアプローチし、自社との間に 1 対 1 の関係が結ばれている感覚を持ってもらえるように働きかけるようにします。こうしたアプローチによって、競争力を高め、顧客から期待を持ってもらえるようになります。旧来のセグメント ベースのマーケティング オートメーションは、もはやアプローチとしては不十分です。現在のマーケティング活動においては、イベントをきっかけにコミュニケーションを開始し、顧客ごとにパーソナライズしたエクスペリエンスで対応していく必要があります。これは、従来のマーケティング手法よりもずっと優れたアプローチであり、マーケティング チームを超え、社内により深く浸透するものです。
先行情報を発表してから数か月になりますが、このたび Microsoft Dynamics 365 Marketing の新しいリアルタイム カスタマー ジャーニー オーケストレーション機能の一般提供を開始することを発表しました。この機能はあらゆる企業にご利用いただけますが、まずは一部のリージョンで提供を開始し、その後数か月のうちに世界中でご利用いただけるようになる予定です。
Dynamics 365 Marketing は、マーケティング担当者とビジネス ユーザーの両方のアプローチを変化させるものです。パーソナライズされた顧客主導のリアルタイムのやり取りによって、カスタマー エクスペリエンスの向上、顧客の獲得、ロイヤルティの迅速な醸成といったメリットを実現します。すべてのやり取りを適応性の高い統合プラットフォーム上で行うことによって、1 つひとつのやり取りを有意義なものにすることができます。
「成長戦略を成功させるには、お客様が当社を必要とするタイミングに合わせられるように、社内全体で情報を共有していることが重要です。これを実現できるのが Dynamics 365 Marketing のカスタマー ジャーニー オーケストレーションという、Dynamics スイートに追加された魅力的な機能です。お客様のシグナルを読み取り、期待以上の対応をすることは、カスタマー エクスペリエンスにおける大きな挑戦の 1 つです。この機能はそれに対応できる直観的なソリューションだと言えます」 - Liz Miller 氏、バイス プレジデント兼プリンシパル アナリスト、Constellation Research
また、マイクロソフトの顧客データ プラットフォームである Dynamics 365 Customer Insights を併用することで、Dynamics 365 Marketing のエクスペリエンスをさらに強化できます。Dynamics 365 Customer Insights では、顧客データの統合、プロファイルの増補、高価値の顧客セグメントの識別を容易に行うことが可能なほか、プロファイルとセグメントのデータを使用することができるため、ターゲットを細かく調整し、有意義なやり取りができるように担当者のジャーニーを洗練させることができます。
マイクロソフトは、今日のマーケティング事情をまとめるために、Forrester のバイス プレジデント兼プリンシパル アナリストである Rusty Warner 氏と共同で、「カスタマー ジャーニ オーケストレーション: あらゆるやり取りを有意義なものにする (英語)」というウェビナーを作成しました。変化し続ける顧客の期待を理解するための基礎、およびそのニーズに合わせてマーケティング テクノロジを進化させる必要があることについて概要を説明しています。ぜひご覧ください。
実際にこの機能を使用して、カスタマー エクスペリエンスを強化し、ビジネスを変革したお客様がいます。ここからはその事例をいくつかご紹介します。
データと AI の活用方法を十分に理解することから始める
European Forum Alpbach (EFA、英語) は、ヨーロッパの活性化とより民主的なヨーロッパにするためのアイデアを進展させることを目的としたプラットフォームです。ヨーロッパだけでなく、世界中の若者や一流の学者、思想家、科学者、為政者、実業家、市民運動家が集まり、より強いヨーロッパを形成するというミッションに取り組んでいます。EFA は、ヨーロッパ大陸のためのアイデアを生み、活動を始めるための場となっています。
他の多くの組織と同じように、EFA でも、ツールやプロセスが接続されていないことによって、ビジョン化したカスタマー ジャーニーに沿ってメンバーどうしがやり取りすることが難しい状況にありました。Dynamics 365 Marketing のカスタマー ジャーニー オーケストレーションを活用することにより、EFA は接続されていない複数のシステム (CRM、支払い、登録など) を統合して、完全なエンドツーエンドのエクスペリエンスをメンバー向けに作成し、オンサイトとオンライン間のカスタマー エクスペリエンスの差を解消することに成功しました。
「このツールは非常にシンプルで、支払い処理などのアクションに基づいて、ユーザーとのコミュニケーションを開始できます。各種データ ソースからデータを集め、そのデータを基にリアルタイムに対応を開始できます。これは今までできなかったことです」 - Mario Nurderscher 氏、CRM アーキテクト兼開発パートナー、European Forum Alpbach
EFA では、リアルタイムのイベント トリガーと AI によるチャネルの最適化を使用して、メンバーのチケット購入のオーケストレーションと自動化を実現しました。メンバーがチケットを購入すると、確認メールの送信やリアルタイムの情報更新、会議中のオファー提供など、そのメンバーのエクスペリエンスを調整するジャーニーがトリガーされます。このように、各メンバーの活動に基づいて個別の結果を伴う 1 つのジャーニーを簡単に作成することができました。
イベントに基づいてジャーニーをトリガーし、必要なタイミングで対応
質の高いマルチツール、ポケット ツール、ナイフを発案した、この分野のリーディング企業である Leatherman (英語) は、D2C (消費者直接取引) のコミュニケーション増に対応できるソリューションを求めていました。よりパーソナライズされたカスタマー ジャーニーをキュレートし、オンライン ストアの継続利用につながるユーザー エクスペリエンスを作成するために、Leatherman は Dynamics 365 Marketing のカスタマー ジャーニー オーケストレーションを活用して、新規顧客を迎えるためのエンドツーエンド ジャーニーを実現しました。
「このジャーニー デザイナー はワークフロー レイアウトが直観的でわかりやすく、簡単に使用できます。自社 Web サイトや他の Dynamics 製品、他社製品からなど、ジャーニーを複数の方法で柔軟にトリガーできます。お客様の行動にリアルタイムで対応することが可能です」 - Liz Lee 氏、IT ディレクター、Leatherman Tool Group
Leatherman は、カスタマー ジャーニー オーケストレーションと Power Automate を活用して、複数のタッチポイントを持つジャーニーを作成しました。このジャーニーでリアルタイムのカスタム イベントを使用し、コマースおよびマーケティング ソリューション全体を通じて顧客エンゲージメントを行うことが可能になりました。顧客がサインアップまたは Web サイトで支払いを行うたびにこのジャーニーが実行されるため、新規顧客に対してシームレスに働きかけ、継続的なエンゲージメントの機会を創出できるようになりました。
コミュニケーションを高度かつ大規模にパーソナライズして成果を向上
「カスタマー ジャーニー オーケストレーション (CJO) のことを初めて知ったとき、その潜在的な効果がすぐに思い浮かびました。うまく言い表せないほど大きな期待を持ったのです。Dynamics 365 の CJO によって、作成するセグメント数を大幅に削減し、展開作業を自動化できたことで、チームや私がそこに何時間も掛ける必要がなくなりました。その代わりに今は、ボランティア リーダーの育成指導やボランティアの派遣といった本来の業務に集中できるようになっています」 - Dustin Lynch 氏、Team Rubicon シニア アソシエイト、運営サポート動員担当
Team Rubicon (英語) は、退役軍人を中心とした災害対応組織です。主に救急関係者や退役軍人で構成される約 150,000 人のボランティア ネットワークを動員して、災害や人道的危機の前、最中、後に被害に遭ったコミュニティへの対応を行っています。Team Rubicon では、台風、洪水、竜巻などの自然災害への対応のほか、新型コロナウイルス感染症拡大を抑制するためのワクチン接種も主導しています。
非営利団体である Team Rubicon が行った災害救援活動は数百回に上り、その成果は対象となった人々やコミュニティの人生を変えるものとなりました。組織の運営には、主にマイクロソフト製品と Dynamics 365 が使用されており、任務を支援し、規模を拡大し、遂行するための技術をこの 3 年間で継続的に進化させてきました。その進化における最新の成果が、Dynamics 365 Marketing のカスタマー ジャーニー オーケストレーションを活用した業務です。
「データで検出された変化や活動に基づいてボランティアとリアルタイムでコミュニケーションを取れるようになり、ボランティアのエクスペリエンスを大幅に強化することができました。通知を調整して人員配置の要求を削減することで、動員チームやコミュニケーション チームにより重要なタスクに集中してもらえるようになりました」 - Ed Glover 氏、Team Rubicon テクノロジ アナリスト
リアルタイムのカスタマー ジャーニー オーケストレーションを使用することにより、Team Rubicon は展開を再確認できるだけでなく、集合場所や日時などの詳細の変更があっても常に最新の情報をボランティアに届けられるようになりました。CJO のおかげで、維持するセグメント数を全体で 35% 削減し、通知の作成、送信、監視に必要な労力も週 8 時間削減できました。Team Rubicon は CJO の利用範囲を拡大し、コミュニケーション戦略全体でさらに多くの要素をカバーしたいと考えています。
ジャーニーのオーケストレーションで、マーケティングを超えた最適なエクスペリエンスを顧客に提供
Dynamics 365 を利用するお客様の中でも、HP は、リアルタイムのカスタマー ジャーニー オーケストレーションをプレビュー段階から活用し、評価しています。HP は、カスタマー ケアはサポートすることだけではないとはっきり認識しています。重要なのは、顧客とのさまざまなやり取りをすべてつなげ、顧客を満足させる 1 つの包括的なエクスペリエンスを実現することです。
そのため HP では、企業ユーザーと一般ユーザーの両方にこれまでになかったカスタマー サービスを提供したいと考え、Dynamics 365 Marketing のカスタマー ジャーニー オーケストレーションを使用してサポート エクスペリエンスの強化に取り組み始めました。より高度にパーソナライズされたエクスペリエンスを提供することで、カスタマー エクスペリエンスの高評価を維持し、生涯にわたるロイヤルティを築くと共に、サポート電話の回数と運用コストの削減を実現しています。
「Dynamics 365 Marketing に実装された顧客主導型のジャーニー オーケストレーション機能により、オペレーターが各顧客のあらゆる情報をリアルタイムで入手し、サポート エクスペリエンスを提供できるようになりました」 - Jibu Mathew 氏、プロジェクト マネージャー、HP Inc.
HP では、エンドツーエンドのジャーニー オーケストレーションによって、カスタマー サポートのライフサイクル全体で各顧客の情報を把握できるようにすることを目標としています。これは、SMS やメールなどの複数のチャネルを通じて、高度にパーソナライズされたエクスペリエンスをコンテキストに応じて提供することで達成できます。顧客のサポート案件が解決に向けて進行するにつれて、その顧客とサポート案件のデータが、統合されたエンドツーエンドのジャーニーで調整されます。顧客とそのサポート案件のデータがまとめられることによって、顧客に一貫性のある高度に統合されたエクスペリエンスを提供できるようになります。
ここでは、企業がソリューションを実装、評価するために、どのように新しいカスタマー ジャーニー オーケストレーション機能を利用したかについて一部の事例を紹介しました。また、カスタマー エクスペリエンスを重視する企業が、データや AI によって顧客とのコミュニケーションを高度にパーソナライズし、必要とされるタイミングであらゆる対応を取るために、どのようにマイクロソフト製品を活用しているかについてもお伝えしました。信頼性と順応性の高いマイクロソフトのプラットフォームを活用することで、創造性を発揮し、自由にエクスペリエンスを設計することが可能になります。可能性は無限に広がります。ぜひ今すぐご利用ください。
<参考情報>
・【期間限定 特別オファー】Microsoft Teams と Dynamics 365 Marketing を活用して、参加者をロイヤルティの高い顧客に転換

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