Power Appsは、規模に応じたガバナンスを備えたAIを組み込んだモダンなアプリへの移行を加速します

（本投稿は米国時間2023年11月15日付の ブログ投稿 の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。）



2023年11月15日（水）、Ryan Cunningham, （Power Apps担当副社長）
  

AIの時代において、組織はチャンスと課題の両方に直面しています。関連性と競争力を維持するために、すべてのソリューションを迅速に変革しなければなりません。また、急成長するアプリのエコシステムを管理する必要もあります。そのような中で、Microsoft Power Appsの最新機能をご紹介できることを嬉しく思います。この機能は、開発者がAIを取り入れた最新のアプリをより迅速に作成し、管理者が何千ものMicrosoft Power Platform市民開発者を大規模に管理し、ユーザーにより良いエクスペリエンスを提供できるようにするためのものです。
Microsoft Ignite 2023での主な発表内容をご紹介します。

Copilotはすべてのアプリに搭載されます。私たちは、自然言語を使用してアプリで洞察を得たりアクションを起こしたりするのに役立つCopilotを、すべての人に使ってもらいたいと考えています。キャンバスアプリのユーザーには、アプリやデータに関する質問に答えるCopilotが用意され、アプリのフィールドのテキスト入力をCopilotが作成するように依頼できるようになります。さらに高度な使用例では、Microsoft Copilot Studioをフル活用して、アプリ内のCopilotをカスタマイズできるようになります。
マネージド環境にグループとルールが追加されました。先進的なガバナンス・ツールの成功に基づき、管理者はMicrosoft Power Platformの環境をグループ単位で管理できるようになりました。管理者は環境グループを設定し、各グループに個別のルールを設定することができます。市民開発者は、グループ内の設定されたルールに従った個人の開発環境に自動的にルーティングされ、ALMパイプラインを使用してアプリケーションを作成できます。マネージド環境のアドバイザー機能を使用することで、IT管理者はレコメンデーション、インラインアクション、自動ワークフローを使用して、環境と開発ステージにまたがるローコードアセットを削除、制限、保護することができます。これにより、IT部門が開発プロセス全体を完全にコントロールできるマネージド環境のエンド・ツー・エンド　ツール一式が完成します。

モバイルユーザー向けに魅力的なネイティブアプリを構築。モバイルアプリは、デバイス上でネイティブにレンダリングされるようになり、アップグレードされたユーザーインターフェイスとエクスペリエンスを得ることができます。また、真のネイティブ・モバイルUI/UXは、最新のモバイル・インタラクション・パターンを市民開発者に提供します。これと、最近導入されたモダンなコントロールやオフラインでアプリを使用する機能を組み合わせると、Power Appsは、現場のユーザーがアプリに頼って仕事をこなすような、ビジネスクリティカルな最前線のワークフローにとって明確な選択肢となります。

以下では、各カテゴリーをより詳しく掘り下げていきます。


市民開発者のアップデートが不要なエンドユーザー向けCopilot
Power AppsのCopilotは、ローコードでアプリを構築・編集する最速の方法です。Copilotを使用して作業を高速化するだけでなく、世界中の市民開発者がCopilotコントロールを有効にして、アプリに生成AIを組み込んでいます。これにより、ユーザーはデータから洞察を得たり、自然言語を使用してアプリ内でアクションを実行したりできるようになります。
現在、私たちは、Microsoft Copilotをより多くのアプリとユーザーに提供しています。Microsoft Dataverseに対応したキャンバスアプリのすべてのユーザーがCopilotにアクセスし、ワンクリックでデータに関する質問を行うことができます。売上が最も高い従業員は誰か、特定のSKUで在庫切れの倉庫はどこか、と、Copilotに質問するだけで、Copilotがアプリの背後にあるDataverseテーブルに照会して答えを見つけます。
このCopilot機能は、2023年12月に限定プレビューが開始され、2024年3月末までにすべてのプレビューが開始される予定です。この機能は、Dataverseに対応したすべてのキャンバスアプリでデフォルト利用、市民開発者側で完全にコントロールすることができます。いつでも、アプリ内でのその機能を無効化することもできます。



キャンバスアプリには、デフォルトでCopilotテキスト入力支援機能が搭載されています。リッチテキストまたは複数行のテキストコントロールをクリックし、Copilotに短いプロンプトを与えるだけで、テキストを作成してくれます。



さらに、市民開発者は、キャンバスアプリのデータ上で定義済みのクエリを使用するオプションをユーザーに提供することもできます。Copilotの回答コントロールを追加し、プロンプトを設定するだけです。ユーザーはプロンプトをクリックし、Copilotが回答を生成する。この新しい機能は、2023年12月にプレビューで利用できるようになります。



Copilotの質問によってアプリ内のデータに関する洞察を得る機能と、定義されたプロンプトに対する回答をワンクリックで得るオプションは、ユーザーの生産性と満足度を大幅に向上、ユーザーの時間を節約し、アプリから得られる価値を高めることを意味します。この2つの機能は、2023年12月にプレビュー版がリリースされる予定です。

Copilot Studioのフルパワーでカスタマイズ
今年のMicrosoft Power Platform Conferenceでは、Copilotコントロールを好みに合わせてカスタマイズできるオプションを紹介しました。Power Apps Studioで直接クエリにソースを追加することも、Microsoft Copilot Studioのすべての機能を使用して完全にカスタマイズすることもできます。



Microsoft Igniteでは、Power AppsのCopilotの最新かつ最高の機能を市民開発者とユーザーに紹介します。ブレイクアウトセッション「Accelerate impact with AI-powered low-code tools（AIを活用したローコードツールでインパクトを加速する）」に参加して、あらゆる情報を学んでください。

スケールでのガバナンス：ポリシーを使ってグループ単位で環境を管理
AIの時代は、組織に急速なスピードでの変革を要求すると同時に、これまで以上に幅広い貢献を可能にしています。その結果、Microsoft Power Platformの全社的な展開に、セキュリティ確保と、管理に対するアプローチの規模を拡大することが非常に重要になっています。私たちは、管理者がローコード・エコシステムを積極的に管理するための新しいオプションを提供することで支援しています。現在、管理者は環境グループを確立し、グループ内のすべての新しい環境が従うルールを設定することができます。以前発表されたManaged Environmentsのデフォルト環境ルーティングやALMパイプラインと組み合わせることで、組織は環境戦略をまったく新しいレベルに引き上げることができます。
管理者は環境グループを一度作成するだけで、各グループにルールを割り当てることができます。例えば、共有を5人以下に制限したり、新規作成者にカスタムオンボーディングメッセージを提供したりすることができます。デフォルトの環境ルーティングは、新しい市民開発者を自動的に専用グループ内の個人開発者環境にルーティングします。彼らの環境は、すでにルールが設定されているので、管理者が追加でアクションを起こす必要はありません。



そうすることで、管理者はデフォルト環境の乱雑さを軽減し、市民開発者向けの新しい環境が設定したルール準拠を確信することができます。
市民開発者がユーザーとアプリを共有する準備ができたら、ALMパイプラインを使ってテスト環境から本番環境へと誘導します。AIが生成するアプリの説明は、管理者がレビュー中のアプリが実際に何をするのかを理解するのに役立ち、承認プロセスを迅速化します。これにより、何千ものソリューションの構築とモダナイゼーションがより迅速かつ合理的になります。
お客様は限定プレビューに参加し、環境グループとルールを体験することができます。この機能は、2024年第1四半期にプレビュー版としてすべてのお客様に提供される予定です。

アドバイザーによるモニタリングと適応
プロアクティブなポリシーやルールに加え、管理者は組織内で増え続けるアプリ、フロー、ボットを容易に監視し、対処できる必要があります。マネージド環境のアドバイザーを利用することで、IT部門は環境内で何が起きているかを把握し、潜在的なセキュリティ脅威への対処方法やベスト・プラクティスの実装方法を提案できるようになります。管理者は、インラインアクションを使用してきめ細かな制御を行ったり、Microsoft Power Automateを設定して一括アクションのワークフローを自動化できます。
例えば、デフォルト環境で使用されていない何千ものアプリを自動的にクリーンアップすることができます。このアドバイザー機能は、現在すべてのお客様にプレビューでご利用いただけます。

「Lumen Technologiesでは、Microsoft Power Platformの管理センターでアドバイザーを使用することが、メンテナンスとガバナンスに不可欠であることがわかりました。所有者のいないアプリを迅速に再割り当てしたり、コンプライアンスに反するアプリを隔離したりすることができます。Center of Excellence Starter Kitと併用することで、アドバイザーは完璧なものとなります。私たちは、アドバイザーへの投資と将来的な展望を楽しみにしています。」
-ルーメン・テクノロジーズ、プリンシパル・ソリューション・アーキテクト、アンドリュー・ガスキンス氏




マネージド環境で利用可能な一連のツールにより、IT部門はエンド・ツー・エンドの戦略を容易に実行し、環境グループとルールを使用してプロアクティブなポリシーを設定し、ALMパイプラインでデプロイを制御し、アドバイザーの助けを借りて監視し適応させることができます。より多くのコントロール、より多くの可視性、そしてより少ない労力で。


組織におけるローコードエコシムテムのスケーリングと管理について詳しく学びましょう。
Microsoft Igniteの分科会にご参加ください：Microsoft Power Platformのエンタープライズ規模での運用

どこでも信頼できるモダンアプリ
Power Appsは、モダンでパフォーマンスの高いビジネスアプリケーションを構築するためのツールです。これらのアプリは、実用的な価値を提供し、高速で、視覚的に魅力的で、ユーザーがどこにいてもシームレスなエクスペリエンスを提供します。
Power Appsで構築されたモバイルアプリの進歩は、現場で業務する従業員の多い業界にとって特に興味深いものです。世界の労働人口の80パーセントが最前線で働く労働者であり、そのうちの46％が、仕事をより簡単にするために、より優れたテクノロジー・ツールの必要性を表明しています。
そして今、私たちはモバイルアプリに真のネイティブUI/UXをもたらそうとしています。これにより、モバイルアプリはデバイスに最適化され、よりスムーズなアニメーション、統合されたデバイス機能、そして、より信頼性の高いパフォーマンスを提供します。このような最新のモバイル・アプリケーションを手にすることで、現場の従業員の生産性が向上し、日々の業務がより迅速になり、業務完了までの時間が短縮されます。
アプリを作り直す必要はなく、既存のCanvasアプリを「Optimize for devices experimental app」設定に選ぶだけで、これらの改善が適用されます。プレビュー環境では本日から利用可能で、今後数週間にわたって世界中で展開されます。




今すぐPower AppsでCopilotを利用したエンタープライズ対応のモダンなアプリケーションを構築できます
私たちの業界をリードするジェネレーティブAIの実装であるCopilotは、市民開発者とユーザーの両方にサービスを提供しています。プロアクティブなポリシー、スケーラブルな開発のサポート、すぐに使える監視ツールなど、スケールにおける当社のガバナンスは他の追随を許しません。アプリのユーザーは、どのようなデバイスでも、高速でモダンで信頼性の高いエクスペリエンスを得ることができます。これらすべてを備えたPower Appsは、大規模で多数のアプリを迅速に構築したい組織にとって理想的なソリューションです。

Power Apps だけでなく、より広範な Microsoft Power Platform は、これらの分野に引き続き時間を投資していきます。市場をリードする弊社のローコード・アプリケーション・プラットフォームをどのように活用し、素晴らしいソリューションを構築しているか、皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
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