AI Builder でロー コード開発における AI を強化
(本投稿は米国時間2021年11月2日付のブログ投稿の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。)
icrosoft Power Platform は、あらゆるスキル レベルの開発者がビジネスの課題に対応する独自のソリューションを作成できる、業界トップクラスのロー コード開発プラットフォームです。ソリューションに AI を組み込むことで、効率、正確性、使いやすさなど、プロセスのさまざまな点を改善できます。その一例として、先日、AI Builder と Power Automate をシームレスに連携させて完全自動ドキュメント処理ソリューションを作成するデモ (英語) を行いました。Microsoft Ignite では、AI Builder のさまざまな新機能を発表しました (英語)。これらの新しい機能により、Power Platform 開発者が自社のビジネス ソリューションで AI を活用できるようになります。
発表した機能は以下のとおりです。
- AI Builder での独自モデルの使用 (一般提供)
- Power Apps の Power Fx での AI 使用 (プレビュー)
- Lobe による画像分類 (プレビュー)
- フォーム処理の強化
- AI Builder の初期キャパシティ
これらの機能により、AI Builder でサポートされているプロセスの種類と数の両方が拡張されます。それでは、機能強化の活用例をいくつかご紹介します。
独自モデルの使用 (BYOM)
独自に作成した AI モデルを AI Builder で使用できるようになりました。作成者が自身のモデルを AI Builder に接続することで、社内の Power Platform 開発者が利用できるようになります。これらのモデルは、AI Builder でネイティブに提供される初期モデルと同様に、Power Apps、Power Automate、Dataverse で使用できます (図 1)。
図 1.AI Builder に独自モデルを接続して Power Platform 全体で使用
データ サイエンティストは、日々モデルを作成しています。使用する言語、フレームワーク、ツールはさまざまであり、あらゆるクラウドでホストされます。モデルを一度登録すると、AI Builder のモデルとして表示されます。AI Builder の BYOM を使用すると、Power Platform のロー コード開発環境内から高度な AI モデルにアクセス可能になるため、すべての開発者がこのモデルを重要なビジネス プロセスで使用できます。また、Power Platform 作成者がより多機能で高度な独自のビジネス プロセスを作成できるため、ミッション クリティカルな処理を効率的かつ的確にこなせるようになります。さらに、データ サイエンティストや特定分野のエキスパートが基幹業務の担当者と協力してチームワークを強化することで、最高のビジネス成果を引き出すビジネス プロセス ソリューションを構築できます。BYOM によって、特定分野の専門知識を実践的なビジネス プロセスの知識と連携させることで、企業に最適なビジネス ソリューションが生まれます。
BYOM 機能は、一般提供を開始しています。詳しくはこちらをご覧ください。
Power Apps の Power Fx での AI 使用
これまでは、Power Apps で AI を利用するための AI Builder コントロールは、5 種類に限られていました。操作は可能でしたが、AI コントロールのカスタマイズは制限されており、対応しているのは 16 の AI モデルのうち 5 つでした。
このたび、Power Fx から Power Apps アプリに AI を簡単に追加できるようになりました。すべてのトレーニング済み AI モデルやカスタム AI モデルにアクセスして、アプリ内であらゆるコントロールを使用できます。
Power Fx での AI モデル使用は、今月末までにプレビューを開始します。
図 2.Power Apps アプリの Power Fx で AI を使用
AI Builder での Lobe の使用
Lobe (英語) で作成したモデルを AI Builder で使用できるようになりました (図 3)。Lobe は、ユーザーのコンピューターで画像分類モデルを簡単に作成できる、マイクロソフトの無料アプリです。画像を追加してラベルを指定するだけで、Lobe が自動的にカスタムの機械学習モデルのトレーニングを実行します。モデルは、Lobe から AI Builder に直接アップロードして、Power Apps や Power Automate で使用できます。
Power Platform での Lobe の使用は、一部のリージョンで今月からプレビューを開始します。
図 3.AI による画像認識を行う Lobe アプリを AI Builder で使用可能
フォーム処理の強化
多くのお客様にご利用いただいている、広範囲で人気の AI Builder モデルがフォーム処理です。このたび、マイクロソフトはこの処理のいくつかの機能を強化しました。新たに、タグ付けされたチェックボックスから情報を抽出できるようになりました (図 4)。これは特にご要望が多かったため、皆様の声にお応えできたことを光栄に思います。
図 4. チェックボックスから AI Builder で情報を抽出
さらに、この表からの情報抽出機能を基盤として、今年の始めに新しいグリッド タグ付け機能をリリースし、表のタグ付けエクスペリエンスを強化しました。表の行と列の区切りを定義するだけで、表にすばやくタグ付けできます (図 5)。このフォーム処理モデルを使用すると、複数ページにわたる表も抽出できます。フォーム処理トレーニング ウィザードで抽出情報を定義する際にこの機能を有効化すると、複数ページの表の種類を新たに定義し、各ドキュメントをタグ付けします。これにより、直感的な操作で手軽に、複数ページの表のデータをタグ付して抽出できるようになります。この機能は近日リリース予定です。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。
AI Builder とフォーム処理モデルの急速な成長に伴い、フォーム処理を、中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語などを含む 73 言語のドキュメントで利用できるようになりました。対応言語の全リストはこちらでご確認いただけます。ドキュメント自動化ツールキットの一般提供も開始します。これは、AI によるドキュメント処理を実行する標準的なエンドツーエンド ソリューションです。
図 5. 新しいグリッド タグ付け機能で表からの情報抽出を強化
AI Builder の初期キャパシティ
Power Platform のプレミアム サービスである AI Builder を手軽に開始できるようになりました。AI Builder のすべての機能は無料で試用できますが、AI をアプリやフローに追加する場合は AI Builder キャパシティが必要です。
初めての方にも簡単にご利用いただけるよう、Power Apps per app ライセンスに 250 クレジット、Power Apps per user ライセンスに 500 クレジットを追加しました。このクレジットは Power Platform 管理センターで確認できます。現時点では、使用前に環境に割り当てる必要があります。このプロセスは 12 月中に完全にシームレスになる予定です。割り当てられていないクレジットはすべて使用できます。どの環境でも使用可能で、管理者の操作も不要です。このため、ソリューションでの AI の利用をこれまで以上に簡単に開始できます。
AI Builder を今すぐ試す
AI Builder の詳細を確認し、Power Platform ビジネス ソリューションで複雑な AI モデルの使用を開始しましょう。また、こちらの Power Platform の詳細、および以下のリンクをご覧ください。さらに、Power Platform のトピックを扱った Microsoft Ignite のセッションもご覧いただき、ビジネスを発展させるためのロー コード ソリューションを作成してください。

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