コネクテッド フィールド サービスでサービスの運用を変革
本投稿は米国時間7月27日付の ブログ投稿の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。
最近話題の「コネクテッド フィールド サービス」という言葉をご存知でしょうか? 耳にしたことはあっても、実際の意味まではよくわからないという方も多いかもしれません。フィールド サービス管理 (FSM) は一般的に、クライアントが採用したリソース、またはクライアントの現場に移動するリソースを管理することを指します。1 FSM には、システム機器の設置、サービス提供、メンテナンス、修理といったタスクが含まれ、フィールド サービスのプロセス管理には通常、クラウド ベース プラットフォームのソフトウェアが利用されます。
コネクテッド フィールド サービスによって、モノのインターネット (IoT) に対応したコネクテッド デバイスを追加し、クラウド機能を活用することで従来のフィールド サービスの運用を強化することができます。IoT 診断、スケジュール管理、資産のメンテナンス、在庫管理を総合的に組み合わせて同一プラットフォームから実施することが可能になるため、サービス モデルを高コストで事後対応的な「壊れたら直す」モデルから、事前対応的なモデル、場合によっては予測型のモデルに変革することができます。
Microsoft Dynamics 365 Field Service をはじめとするフィールド サービスの管理と自動化のためのソフトウェアは、企業にとって大きな価値を持つものです。サービス プロバイダーやエンジニアに対して、IoT 対応機器からクラウド経由で重要な情報を直接送信し、サービスの運用方法を大幅に変革することができます。この技術は、リアルタイム データ分析、機械学習、ユビキタス コンピューティング、商品センサー、組み込みシステムなどのさまざまなテクノロジを統合することによって実現されています。
コネクテッド フィールド サービス: 従来のフィールド サービスからのレベルアップ
フィールド サービスには通常、設置、点検とメンテナンス、故障対応 (修理) の予約といった従来のプロセスが含まれます。しかし、スマート センサーが設置されていない場合、このプロセスは事後対応的で時間のかかるものになります。また、顧客からフィールド サービス部門に連絡してもらい、修理やメンテナンスのためのチケットを発行してもらうことが必要になります。
コネクテッド フィールド サービスでは、サービスを事前対応型、また、最終的には予測型に変革することが可能です。これにより、IoT 対応デバイスをリモートでモニタリングし、ダウンタイムを大幅に削減することができます。機器の運用に異常が発生すると、接続された IoT デバイスからフィールド サービス部門にアラートが自動送信されるため、応答時間を短縮できます。修理を完全にリモートで実施できるケースもあり、その場合は、エンジニアのスケジュールを確保して現場に派遣する必要がなくなり、運用コストの削減につながります。また、顧客が問題に気付いたり何らかの影響を受けたりする前など、完全に予防的に修理が完了することもあるため、顧客の時間の節約や予算の大幅な削減にもつながります。
コネクテッド フィールド サービスのメリット
コネクテッド フィールド サービスには、以下のようなさまざまなメリットがあります。
- 機器のパフォーマンス低下や不良を特定して、故障を予測し、事前に防止できる
- コネクテッド デバイスから IoT アラートを事前対応的に生成することで初回修理率を向上させ、機器のダウンタイムを最小化できる
- リモート自己修復機能で機器の修理やリセットに必要なデバイス コマンドを送信することで、エンジニアが現場で対応することなく迅速に問題を解決できる
- リモートでのモニタリングとデバイス データ分析によって、メンテナンス コストを削減できる。また、現場での対応が必要な場合は、関連するスキル セットを習得した適切なエンジニアを必要なツールと共に派遣できる
- AI によるデータ分析で、製品、サービス、パフォーマンス、顧客満足度の可視性を向上させ、改善の機会を前もって特定できる
容易なセットアップ
コネクテッド フィールド サービスのセットアップは比較的簡単で、使用に慣れながら段階的に実装していくことができます。既に実装されている従来のフィールド サービス管理システムからコネクテッド フィールド サービスへの移行も、自然な形で進めることができます。
コネクテッド フィールド サービスでは、IoT デバイスが回転数、温度、湿度などの関連情報を機器から収集し、自動的にフィールド サービス管理システムに中継します。これにより、一定期間蓄積されたテレメトリ データが機械学習に活用され、対応の改善と正確な予測分析が可能になり、フィールド サービス管理プロセスの強化につながります。
コネクテッド フィールド サービスのしくみ
例として、IoT センサーを顧客の機器に設置し、ステータス レポートを収集する場合について紹介します。顧客の機器に設置されたセンサーから自社のサービス部門にデータが送られます。その後、そのデータはフィールド サービス ソフトウェアに統合され、最新のデータベース内の顧客情報と照合されます。異常が発生するとエラーが即座に特定され、そのデータがアラートとしてクラウド経由で顧客の現場に向かうエンジニアに提供されます。エンジニアは現場ですべてのサービス履歴をリアルタイムで確認することができます。IoT センサーからデータが得られるため、現場での初期診断が不要になり、エンジニアは現場に到着後、すぐに問題解決に取り組むことができます。Dynamics 365 Field Service では、特定の問題や異常に関するスキル セットを持つエンジニアが自動的に派遣されます。また、そのエンジニアは現場に当着した時点で既に異常が発生した機器に関する重要データを把握しているため、それを問題解決に利用することができます。
いつでもつながるサービスでニュー ノーマルの世界でもビジネス継続性を確保
新型コロナウイルス感染症の拡大により、フィールド サービスの現場担当者と顧客の両方をウイルス感染から守るため、非接触のサービス提供の必要性が急速に高まっています。現在、ソーシャル ディスタンス確保などの安全対策を講じるために、企業各社はリモート ワークの実現方法を再評価しています。しかし、フィールド サービス エンジニアにとっては、顧客の現場から別の顧客の現場への移動が「オフィス」になります。現場担当者と顧客の両方の安全を守るために、多くの企業がエンジニアの派遣を完全に中止したり、顧客が不在の時間にのみサービスを実施するようエンジニアのスケジュールを調整したりしています。
海外渡航制限の影響により、多くの企業はコネクテッド フィールド サービスへの移行を加速させ、エンジニアと顧客の対面機会を最小限に抑え、両者の安全を確保しています。しかし、これはコネクテッド フィールド サービスの数あるメリットのうちのごく一部でしかありません。移動が不要になる他にも、サービス コストを削減する効果も現れています。これは、フィールド サービス部門に運用上の異常が発生したことを示すアラートが IoT 対応デバイスから自動で送られてくるためです。この場合、エンジニアはコマンドを送信してリモートで修理作業を完了させることができます。場合によっては、顧客が影響を受ける前に修理を完了させることもできます。コネクテッド フィールド サービスの主な目的は、メンテナンスを予防的に行うこと、また、最終的には予測的に行うことであり、それによって、フィールド サービス部門をコスト センターから利益を生むものに変えることです。
連携による強化
フィールド サービスの運用を今すぐ変革しましょう。Dynamics 365 Field Service、Dynamics 365 Remote Assist、IoT を活用したコネクテッド フィールド サービスによって、顧客満足度と売上を向上させるシームレスなサービス プロセスの作成がどれほど容易になるのかご確認ください。問題を検出および診断するスマートなインターネット対応デバイスを Dynamics 365 Field Service などのフィールド サービス管理 (FSM) ソフトウェアに統合することで、トラブルシューティングを自動で開始し、必要に応じて指示書を作成し、エンジニアを現場に派遣できます。厳格に管理されたスケジュールに頼るのではなく、使用状況に基づいて予防保全のスケジュールを立てるためにこのテクノロジをどのように活用できるかご確認ください。ソリューションを段階的に実装できる柔軟性は、特に大きなメリットです。移行を自然なペースで進められるよう、ぜひご活用ください。
コネクテッド フィールド サービスの詳細についてはこちらを確認してください。
Dynamics 365 Field Service の詳細についてはこちらをご覧ください。

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