Dynamics 365 Intelligent Order Management で迅速に適応しフルフィルメントを効率化
(本投稿は米国時間2021年3月2日付のブログ投稿の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。)
デジタル コマースは、サプライ チェーンの全工程を大きく変えつつあります。 今日の消費者は、様々な配送オプションとともに購入および購入後のシームレスなオムニチャネル体験を期待しています。
しかし多くの企業は、この時代の変化に合わせて業務を改革しようと模索している途中です。最近の調査* によると、企業の 61%1 では、今後数年間にデジタル チャネルでの売上が過半数を超えることが予想されます。
同時に、企業の 50%超2 は、デジタル コマースのニーズにサプライ チェーンが対応できていないと感じています。長いフルフィルメント時間による遅延やパンデミックの影響による流通停滞が増える一方で、企業のおよそ 37%3 は、デジタル コマースのニーズ増加に対応できるサプライ チェーン テクノロジーを導入していません。こうした組織の 52%4 では、コスト効率の高いフルフィルメントを実現することが最優先の課題です。
本日、受注やフルフィルメント全体でオムニチャネル変革を促進する、新しい Dynamics 365 アプリケーションをご紹介します。Dynamics 365 Intelligent Order Management は、将来の受注や複雑なフルフィルメントにすばやく適応し、オンラインで購入して店舗での受け取りやカーブサイドピックアップを行うような現代的な方法もサポートします。
この目的主導型のサプライ チェーン ソリューションでは、受注からフルフィルメントまでのライフサイクル全体を一元管理し、制約や混乱にすばやく対応して、予定どおりに配送できるようにすることで、顧客のニーズに応える新たな方法を切り拓き、応答性を高められるほか、新しいビジネス モデルを採用して収益性と関連性を維持できます。Dynamics 365 Intelligent Order Management は、既存のエンタープライズ システムと統合することで、短期間で価値を実現し相互運用性を向上します。
質の高いサービスレベル、サプライ チェーン全体の効率化とコスト節減を推進しながら、より高いサービスレベルを可能にする最新のイノベーションを見ていきましょう。
最先端のオープン プラットフォームを基盤とする Dynamics 365 Intelligent Order Management は、オンライン e コマース、マーケットプレース、モバイル アプリのほか、EDI などの従来型の発注をまとめ、倉庫、3PL、店舗、またはベンダーやその他のフルフィルメント パートナーのドロップシップなどから柔軟に配送できるようにします。
受注管理システムの分野は成熟しているため、現在市販されているソリューションは柔軟性に欠けるところがあります。Dynamics 365 Intelligent Order Management には、200 以上の構成済みの Microsoft Power Platform コネクタがあり、受注、フルフィルメント、配送方法をすぐに追加できます。需要のピーク時には容易に拡張できます。
予定どおりに配送
AI を活用したソリューションによって、在庫状況に基づいて各注文の供給方法をリアルタイムで提案し、取り得る選択肢についての情報や洞察を提供します。

このような例外ベースの管理では、ユーザーが状況を完全に把握して、あらゆる注文の処理経路を調整、変更できる一方、例外に対してはビジネス上の意思決定が求められます。機械学習によって、ユーザーが例外にどう反応するかを学習することで、より良い提案ができるようになります。
リアルタイムで在庫状況を把握
Dynamics 365 Intelligent Order Management の主な特徴は、統合型のリアルタイム在庫可視化サービスです。これは柔軟かつ拡張性に優れた Microsoft Dataverse の上で構築されたマイクロサービスで、全組織内の在庫状況をひとめで把握できます。

フルフィルメントを司るエンジンが、リアルタイムの在庫データを使用してフルフィルメントを最適化します。そのプロセスの中で、チャネル全体で最適な在庫状況を維持して、キャッシュ フローを改善します。
注文のライフサイクルをすべて管理
真のオムニチャネル体験を提供するには、商品の受注から配送までのライフサイクル全体を一元管理する必要があります。Dynamics 365 Intelligent Order Management では、受注プロセスの各段階をリアルタイムで把握できます。フルフィルメントに関する情報がカスタム可能な統合ダッシュボードにリアルタイムで表示されるため、サプライ チェーン担当チームは、制約に適切に対応し、状況を確認して、効率を向上させながら予定どおりに顧客に商品を配送できるようにします。

また、サイロ化を解消し、子会社と本社の間で複数のシステムを使用している場合でも、受注状況を 1 か所で確認できるようになっています。このシステムは、返品処理を合理化する場合にも役に立ちます。アプリ、オンライン、店舗で返品申請を受け付けて、店舗、フルフィルメント センター、サービス センターで回収できます。
ビジネス ユーザー向けに設計されたソリューションの大きな特徴は、都度 IT 部門に依頼しなくても、注文フローを変更できるという点です。サプライ チェーンの担当者は、埋め込み型のポリシー デザイナーでビジネス プロセスを最適化するルールを策定できます。
プロセス管理をデザインするツールを使用して、フルフィルメントの制約対応をモデル化および自動化し、機械学習を活用して注文フローを最適化します。供給ネットワーク内の制約を予測または検出したら、プロアクティブにボトルネックを回避して、時間どおりに配送を完了できるよう、サプライ チェーン全体を効率化します。
すぐに使い始める
Dynamics 365 Intelligent Order Management は、ガイド付きのエクスペリエンスで導入できます。スピード感を重視する今日の企業は、世界中にロールアウトする前にフルフィルメント プロセスの効率化をいち早く開始したいと考えています。Dynamics 365 Intelligent Order Management は、マイクロソフト クラウド上のサービスとしてのソフトウェア (SaaS) です。

構成済みコネクタを使用して、様々な受注、フルフィルメント、配送などのパートナーをサポートし、受注量のピーク時には拡張することができます。この受注調整エンジンの基盤となる Power Platform には 200 以上の構成済みコネクタがあり、ビジネス ユーザーはすぐにこのエコシステムとつながることができます。マイクロソフトは、Orderful、BigCommerce、Magento、Flexe、HighJump、Vertex、Flintfox、Avalara などの設計パートナー様と協力し、今後もコネクタのエコシステムを拡大していきます。今後のリリースでは、新たなコラボレーションを発表していきます。

ERP、CRM、倉庫管理やフルフィルメント システムなどの既存のエンタープライズ システムとも容易に統合でき、Datavaerse を使用してデータをシームレスに同期します。他の Dynamics 365 製品との依存関係はなく、Dynamics 365 や Dynamics 365 以外のビジネス アプリケーションともシームレスに連携します。プロセスの自動化、インテリジェント化、円滑化によって、オムニチャネル フルフィルメントの在り方が大きく変わります。Dynamics 365 Intelligent Order Management は、2021 年 4 月 30 日からプレビューを開始し、2021 年 7 月 30 日から一般提供を開始する予定です。
「お客様のニーズに応えるために、商品の購入方法やフルフィルメントの選択肢を継続的に拡大しています。Dynamics 365 Intelligent Order Management を導入したことで、プロセス全体を一元管理し、あらゆるチャネルやシナリオの受注処理を最適化できるようになりました。今では、フルフィルメントのリスクや制約にもプロアクティブに対応し、注文の品を時間どおりに提供しています」 — Jeff Suellentrop 氏 (Breville 社デジタル (DTC) アンド プログラム、エンタープライズ アーキテクチャ担当バイス プレジデント)
関連情報
- ソリューションの詳細やプレビューについては、D365OMS@microsoft.com までお問い合わせください。
- Microsoft Ignite のオンデマンド セッション「配送を最適化するためのインテリジェント フルフィルメント管理 (英語)」と Microsoft Ignite の基調講演 (英語) をご覧ください。
- 詳細については、Dynamics 365 Microsoft Ignite の発表に関するブログ記事 (英語) をお読みください。
1 基準: デジタル トランスフォーメーション戦略および業務の意思決定者 470 人 (オンライン、オフライン チャネルにおける顧客のリテール エクスペリエンス担当)
2、3、4 基準: デジタル トランスフォーメーション戦略および業務の意思決定者 624 人 (オンライン、オフライン チャネルにおける顧客のリテール エクスペリエンス担当)
出典: マイクロソフトの依頼による Forrester Consulting の調査結果 (英語)、2020 年 11 月
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