本投稿は米国時間2020年11月16日付のブログ投稿の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。
Common Data Service は、Dynamics 365 と Power Platform を支える洗練されたセキュアなバックボーンです。このたび Common Data Service の名称が Microsoft Dataverse に変更されることになりました。このローコードのデータ プラットフォームによって今、世界中の組織で行われているアプリの構築やビジネス プロセスの変革の手法が急速に変化しています。今回の名称変更は、Dataverse が持つ力を世界中の個人や組織の皆様により広く知っていただくための取り組みの 1 つです。
また、この戦略のもう 1 つのカギが、Microsoft Dataverse for Teams です。Microsoft Dataverse for Teams は Dataverse 機能の基本サブセットであり、世界に数百万人いる Teams ユーザーが追加費用なしで利用できる強力な組み込みデータ プラットフォームです。今回、この Dataverse for Teams の一般提供が開始されました。また、これと共に、組み込みの Microsoft Power Platform ツール スイート (英語) も提供が開始されます。このツール スイートを利用することで、Teams から離れることなくローコード アプリの構築、プロセスの自動化、チャットボットの導入などを簡単に行うことができます。
この組み込み機能のプレビューは 9 月に開始しましたが、それ以降 Teams で Power Platform を使用してデジタル ワークスペースのビジネス プロセスを変革するお客様の数は 2 倍以上に増えました。こうした広がりが見られた主な要因は、Dataverse for Teams がローコード バックエンドとして利用しやすいことにあります。実際、プレビューを開始してわずか 2 か月足らずで、20 テラバイトものデータが Dataverse for Teams に格納されています。
あらゆることを Microsoft Teams から離れることなく行えるようになるため、組織はユーザーの作業時間の節約や課題解決を後押しできるようになりました。9,800 万人以上の顧客を持つ米国第 2 位のワイヤレス プロバイダーである T-Mobile も、Power Platform と Teams でビジネスを変革している企業の 1 つです。同社のシニア開発者である Brian Hodel 氏は、T-Mobile の従業員がいかにして独自のソリューションを構築し、ビジネス上の課題を解決しているかについて次のように語っています。
Microsoft Dataverse for Teams と Microsoft Power Platform はすべてを一変させました。この強力な組み合わせを活用することで、全員が協力しながらビジネス課題を解決し、急速に変化する職場環境のニーズに対応することができます。以前はプロセスを簡単に一元化できる方法はありませんでしたが、今では 1 つの信頼できる場所に情報を集約し、それを利用してアプリやボットを大規模に構築してビジネス課題を解決し、より迅速にイノベーションを起こすことができるようになりました。— Brian Hodel 氏、シニア開発者、T-Mobile
Teams と Power Apps の連携で、時間を節約
Teams に組み込まれた Power Apps Studio を活用することで、Dataverse や 400 以上ものデータ ソースに接続できるローコード アプリの作成、編集、共有がさらに簡単になりました (英語)。ネイティブなレスポンシブ レイアウトや滑らかな動きのコントロールを活用して、画像や動画を絡めた高度なエクスペリエンスを実現し、洗練されたカスタム アプリを Teams 内で簡単に作成することができます。オーストラリア最大手の通信会社 Telstra は、Teams と Power Platform を使って現場の技術者を支援し、業務全体のイノベーションを推進しています。
Microsoft Dataverse for Teams には、とても満足しています。エンド ユーザーがシームレスな統合エクスペリエンスを通じてスケーラブルなデータセットにアクセスしたり、エンタープライズ セキュリティ機能を利用できるだけでなく、すべての Teams ユーザーがシチズン デベロッパーとなって、Teams 内でビジネス上の問題を解決できるようになります。— Nathan Backers 氏、PowerFactory 担当リード、グローバル ビジネス サービス部門、Telsra
Teams と Power BI アプリの連携で、チームワークにインサイトを投入
現在、Microsoft Power BI のライセンスを持つユーザーは Teams で Power BI アプリを使用して、Power BI の機能をフルに活用することができます。今回新たなエクスペリエンスとして、組織内のデータ、レポート、インサイトを利用可能かつ共有可能な方法で一元化する機能を実現しました。これにより、ユーザーが業務や共同作業に活用しているあらゆる場所のインサイトにシームレスにアクセスして、Dataverse for Teams の使用状況を把握し分析することができます。ボストンの超高層タワー マンションやフロリダのギター型ホテルなどの象徴的な建築プロジェクトで知られる Suffolk Professional Services は、Microsoft Teams と Power BI の組み合わせによってより的確でスピーディーな意思決定を可能にし、現場から本社にいたる一貫したプロセスの連携を実現しました。
当社の IT コラボレーション チームには非常に優秀なエンジニアがいますが、彼らは Microsoft Teams を見て、多くの可能性を感じたようです。当社は Power Platform とマイクロソフトのアプリを活用して、建設作業員のためのタスク管理ツール一式を構築しています。— Ajoy Bhattacharya 氏、イノベーション & ニュー テクノロジ-担当シニア ディレクター、Suffolk Professional Services
Microsoft Power Virtual Agents であらゆるユーザーを支援
Power Virtual Agents for Teams と組み込みの作成機能が一般提供されました。ユーザーは Teams 内でこの統合された組み込み機能を活用できるため、だれでも簡単にチャットボットを構築、共有、利用して、組織全体にサポートの手を広げることができます。カナダのオタワ市をはじめ、多くの組織が Power Virtual Agents と Teams を活用して、職員やスタッフから寄せられる幅広い問い合わせに対応しています。
COVID-19 の世界的流行に対応するために、私たちもオフィス中心の働き方から在宅ワークにすばやく切り替える必要がありました。Teams と Power Virtual Agents を活用することで、「OBot」と名付けたボットをスピーディーに展開できました。これは、Power Virtual Agents をベースに Teams から全職員向けに展開したもので、在宅勤務に関連するすべての問題に対する速やかな回答とハウツー情報を提供します。おかげで IT サービス デスクだけでなく、人事や他の部署のサポート負担も軽減されました。— Gary Belcourt 氏、ソリューション プロジェクト マネージャー、オタワ市
HR ボットや FAQ ボットは、Microsoft Dataverse for Teams を介して Power Virtual Agents と企業データを接続することで、組織の時間とコストの削減に役立ちます。
Microsoft Power Automate で反復的なプロセスを最適化
Teams に新たに登場したホーム ページ ビュー (英語) により、これまで以上に簡単に Teams で Power Automate を利用できるようになりました (英語)。テンプレート中心の新しい作成エクスペリエンスでは、新規のフローを簡単に構築できます。Power Automate 用の新しい API-M コネクタを使用すると、Azure API Management に接続されている既存のシステム、サービス、データとの統合が可能です。1 対 1 の通話を自動でスケジューリングしたい場合も、承認フローを設定したい場合も、Power Automate と Teams の組み合わせにより、設定時間を節約して、より付加価値の高い作業に集中することができます。
Teams でのローコード作業の管理と安全の確保
Microsoft Dataverse for Teams では Power Platform の既存のデータ ガバナンスの枠組みが活用され、他の Teams 機能と同様の Teams 管理センターでのアクセス制御が可能になります。Power Platform 管理センターではより詳細な情報が提供され、専用の容量使用率を監視したり、DLP ポリシーを確認したりできます。
Microsoft Dataverse for Teams は、環境ライフサイクルとユーザー セキュリティ ロールを Teams の構成に合わせることで、管理を大幅に簡素化することができます。Dataverse の自動ロール管理の詳細についてはこちらをご確認ください。
また、Power Platform CoE ツールキット ソリューションにはガバナンス ワークフローが用意されており、それを利用したり、必要に応じてカスタマイズしたりできます。CoE ツールキットのガバナンス コンポーネントの詳細についてはこちらをご確認ください。
構築済みのテンプレートで始める
入手してすぐに使うことができるアプリのテンプレートには、絶大な力があります。その代表格が「従業員のアイデア」アプリです。チームのあらゆるメンバーが自分のアイデアを提案したり、共有することができるプラットフォームであり、テンプレートはそのまま使用することも、ローコードの Power Platform ツールで簡単にカスタマイズしてワンクリックで展開することも可能です。イノベーションとアイデア創出のためのフレームワークをすばやく導入できることの価値を、皆様にもすぐに実感していただけるはずです。従業員のアイデア アプリ、またその他のテンプレートの詳細はこちらをご確認ください。
参考資料
Microsoft Dataverse と Dataverse for Teams の詳細については、ブログ記事「Project Oakdale のデータ プラットフォーム機能の詳細 (英語)」をご覧ください。
プロの開発者向けの Teams と API Management の詳細については、「Power Platform と Azure でアプリ開発の目標を達成する (英語)」をご覧ください。
またマイクロソフトは、Microsoft Dataverse の用語の更新にも取り組んでおり、現在 Teams を使用している世界中のユーザーと未来のシチズン デベロッパーがより直観的に使用していただけるように工夫しています。この更新については、用語に関するセクション (英語)
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