Japan Partner Conference 2018 Tokyo ~Dynamics関連セッションのまとめ~
8 月 31 日、東京赤羽橋のザ・プリンス パークタワー東京にて、パートナーの皆様向けのFY19キックオフイベント Microsoft Japan Partner Conference 2018 Tokyo (以下 JPC 2018) が開催されました。2,400 名を超える過去最大人数のビジネスパートナー各社の皆様にご来場いただきました。
午後のブレイクアウトセッションでは、Dynamics関連の4セッションがありましたので、下記にまとめます。
13:00-13:45
古野電気が語る!営業改革成功の秘訣と苦労話
古野電気は、世界で初めて魚群探知機の実用化に成功した兵庫県のメーカーですが、以下のような課題がありました。
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- 新規事業である陸上用の製品の売り上げ割合が2割程度にとどまっていたため、売上比率を増やすため、案件管理や活動管理の仕組みが欲しかった。
- 担当営業によって報告方法がばらばらであったため、プロセスとタスクを可視化したかった。
- 成功・失敗事例の共有ができていなかった。
- Dynamics 365に決めた理由
- 判りやすい画面、ダッシュボード、エクセルやワードとの連携
- プロセス管理の可視化(例:見積もりを出したか、など)
- アラーム通知機能による気づきの仕組み
セッションでは、活用方法を交えたデモがありました。
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- 以前は会議資料は別で作っていたが、今はDynamics 365のダッシュボードで会議を実施している
- シームレスなエクセル連携で、時間のないエグゼクティブにも便利
- エクセルオンラインで編集できるので、ローカルに機密データを残さない
- 導入効果
- 共通化・共有化: アカウント情報、商談のプロセス
- 定性・定量分析: 共通言語で会話できるようになった
- 報告資料作成時間削減
- クラウドサービスなので、初期コストがおさえられ、稟議をかけやすかった
- 苦労話
- 営業担当に必要性(メリット)を理解させた点: 最初は1割の新しい物好きと9割の抵抗者
- 経営・マネージャーの意識改革: ダッシュボードで会議することにより、戦略的な内容に。(以前は自慢話的な(!?)内容が見受けられた)
- 関連部門の理解と協力: 情報システム部の協力が必要だった
- 今後の展開
- コミュニケーション強化: 上司と部下
- 複数事業分野への展開: お客様ニーズの共有など
- Office 365導入によるOutlook連携
- 中期戦略立案への活用:過去のデータに基づく予実管理
- アフターサービス領域でのフィールドサービス活用を検討中
14:05-14:50
Microsoft がビジネスアプリ分野に投資するワケ
~Microsoft Dynamics 365 と Power Platform の魅力を教えます!~
第4次産業革命と言われている今、「デジタルトランスフォーメーション」がキーワードとなっています。
マイクロソフトのデジタルトランスフォーメーションは、
- お客様とつながる
- 業務を最適化
- 社員にパワーを
- 製品の改革
を実現していますが、「データ」が主役です。これを上記4つのプロペラで因数分解すると、データインテリジェンスは心臓部分となります。
ところが、
- 各現場からデータを吸い上げてくる
- その後データを結合し、インサイトを見出す
だいたいこの部分で行き詰ってしまいます。なぜなら、出口が見えないから。どうやってお金を生み出すのかわからないからです。したがって、「デジタルフィードバックループ」を作ることが非常に重要です。そうすることでアクションにつながっていくのです。
一方、お客様目線では、レガシーなシステムを現状維持していないでしょうか?お客様はシステムごとにしばられている環境ではなく、シームレスにつながった新しいユーザー体験を望んでいます。
「デジタルフィードバックループ」は、3つのコンセプトで成っています。
- データフロー
- コモンデータモデル
- ワークフロー
色々なデータソースがそれぞれ違うシステムで保管されていますので、それらを(1)取り込み、(2)加工し、(3)変換・分析し、(4)公開する、という流れになります。 ビッグデータの中から、意味のあるプロフィールデータを整理していくことになります。
マイクロソフトは、ERPとCRMに境界線があるのはおかしいのでは?と考え、壁を取り払い、クラウドにあげて一気通貫にしています。ただ、これを実現しても新しいユーザー体験を生み出せるのか・・・?
- それを実現するのが、「パワープラットフォーム」
- 業務に必要な状態に加工して保存できるのが、「コモンデータサービス」
PowerAppsであれば、カーディーラーの販売員が紙カタログではなくタブレットを使って車を選べるカタログのアプリをたった3日間で開発することができます。ノンコーディングで、パワーポイントとエクセルを使えれば誰でも開発可能です。まさに販売員にとっての新しい売り方、買う側にとっての新しい買い方を生み出すサービスです。もちろんDynamics 365の案件情報に紐づけることも可能ですし、セールスフォースのデータと連携することも可能なわけです。 経費精算のようなどの会社でも利用しているようなモバイルアプリもたった45分で開発できてしまいます。
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- Microsoftがビジネスアプリ分野に投資するワケは・・?儲かるから!
- Azureの上で実現しているアプリの例が、Dynamics 365です!
- Microsoftはパートナー様のデジタルビジネスの拡大に貢献していきます
- アプリケーションの下の「データ」が非常に重要です
- もっとお客様のビジネスを拡大するために・・・!
15:10-15:55
Dynamics GISV Annata と SI パートナー PwC と Avanade とのお客様事例を元にしたパネル ディスカッション
Annataとは?
- DynamicsのIP Co-sell Readyのソリューション
- INNER CIRCLEも受賞
- 業務に特化したソリューションで、大事な要素はデバイス
- F&O、CE両方と組み合わせが可能で、最近はPower Appsとの連携も可能
Annataは、セールス、アフターセールスから廃棄するまでのすべてのライフサイクルをソリューションで提供しています。Dynamicsだけでなく、Azure、マシンラーニング、ビッグデータなど、さまざまなマイクロソフトのサービスを活用しています。
フロントエンドはお客様が使いやすいものを
製造業だけでなく、リテール、ヘルスケア、公共での実績があります。デバイスに番号が振ら、なんらかのアフターサービス、メンテナンスが必要な領域であればすべて対象となります。現在は、案件ごとにSIパートナー様が展開していますが、将来は、SIパートナーが独自のソリューションを追加し、お客様により早くより良いものを届けられるようなビジネスモデルへの発展を目指しています。
PwCはAnnataビジネスに3年ほど取り組んでいます
Annata365が適合すると想定している業界、業務領域は以下の通りです。
- 自動車、二輪
- 重機、産業用車両
- 産業用機械
最初はディーラーマネージメントにフォーカスしていましたが、限らず展開できそうだと考えています。品質が良ければ売れる時代ではない、という背景からAnnataが使えそうです。
- CRM強化:顧客情報の収集、活用
- ライフサイクルバリューチェーン:デバイスに関する情報収集、分析、活用
どれだけ売れますか?ではなく、売ったものに対する管理、サポートが重要であるため、Annataはそこを解決するサービスです。
導入事例:大手製造業のお客様
お客様の課題
- アジア地域で利用可能なシステムが無かった。
- Fコストが右肩上がり。
- システム保守期限が迫っていた。
市場品質情報を収集する仕組みを構築し、品質問題の予兆をいち早く把握できるようになりました。また、重要品質問題の進捗を見える化し、発生した問題を短期間で解決可能となりました。グローバルで展開し、1万ユーザー以上でご利用いただいています。
アバナードの取り組み
Annata365をの案件をQuick WinするためのPoCを用意しています。たとえば、IoTデータを集めて、CRMモジュールに入れて、Annata365からERPに入れて、アフターセールスによる入庫率向上のソリューションを開発しました。
Connected Customer Experience
- リテールの領域で、オンラインでもオフラインでも在庫の情報がわかります。
- スマートスピーカーなどのデバイスを活用した売り逃しの削減が図れます。
- CRMとERPをつなぐことができます。
Connected Asset/Worker (mining)
- 実績データから可視化し、問題が有る場所を知ることができます。
- どこを掘ればいいか指示してくれます。
パネルディスカッション
PwCはAnnataを、「短い期間で導入することができる」「ERPに比べるとライトに入れることができる」と評価しています。
アバナードは、できるだけAnnta、Dynamicsのようなすでにあるソリューションを使のが、デジタルトランスフォーメーションを加速するうえで必要だと考えています。
Annataは、PwCやアバナードのような、日本でのパートナーを募集しています。
16:15-17:00 超入門! やさしい Microsoft Dynamics 365 の世界 (tech編)
4つのキーワードで語る!Dynamics 365の特徴
生産性:Dynamics 365 をバックエンドにして、それぞれのロールがそれぞれの業務をこなせるような機能が備わっています。Outlookからメールを打てば、その履歴がDynamics365の顧客管理の該当の箇所に自動的に書き込まれます。またエクセルとシームレスな連携も嬉しい機能です。
統合性:CDS(コモンデータサービス)の中のデータはCommon Data Modelのスキーマに書き込まれ、Power BI、PowerAppsのデータもCDSに格納されていきます。また、アドビ、LinkedInなど他のサービスともデータ連携します。
AI:人工知能機能もビルトイン!
信頼性:SLAは99.9%。各ワークロードでもSLAを明記してサービス提供しています。
Dynamics365+αで実現する小売りにおける顧客体験
+bot
- Dynamics 365 AI solutions for customer service というモジュールが出てくる予定です。hpやMacy'sでテスト導入しています。
+PowerApps
- 短機能をシンプルな画面で提供することができます。パワーポイントのような画面で作成可能なため、タブレットで簡単に開発することが可能です。また、データソースをCDSにした、簡単なアプリを作ることができます。
+PowerBI
- Dynamics 365 F&Oに組み込まれたPower BIもあるし、他のソースをダッシュボードに表示させたい場合は、Web版のPower BIも使えます。
+Azure ML
- Dynamics 365のSQLサーバーのデータを直接MLに渡すことができます。過去データを学習させ、需要予測を立てることができます。
+Azure IoT Suite
- Connected Field Serviceで、Azure IoTとDynamics365をつなぐことができます。温度センサーなどと連携し、店内の温度が異常になったらDynamics365にアラートを出すなどが可能です。
以上
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