Microsoft Dynamics 365 Intelligent Order Management プレビューの提供を開始
(本投稿は米国時間2021年4月29日付のブログ投稿の日本語抄訳です。内容に齟齬がある場合、原文を正とさせていただきます。)
本日より、Microsoft Dynamics 365 Intelligent Order Management のプレビュー版の提供を開始します。この新しいアプリケーションにより、企業のお客様は注文管理上の混乱に先を見越して対応し、確実に注文を履行できるようになります。リアルタイムの在庫情報と AI を活用したルールベースのシステムによって、フルフィルメントをインテリジェントに調整し、自動化することができます。
また、構築済みのコネクタを使用して新しい注文、フルフィルメント、配送パートナーをサポートすることで、注文件数の増減や複雑なフルフィルメントにすばやく対応することができます。さらに、カーブサイド ピックアップや BOPIS (オンライン購入商品の店舗での受け取り) といった最新のフルフィルメント方法に対応し、顧客の好みに合わせて注文フルフィルメントをコンスタントに進化させることも可能です。
標準搭載のコネクタを活用して、注文の増減、調整、フルフィルメントをインテリジェントに実行
デジタル コマースの登場により、商品の購入方法や受け取り方法の選択肢が増え、提供のスピードや柔軟性が向上したことで、真のオムニチャネル エクスペリエンスに対する消費者の期待が高まってきています。
こうした消費者の期待に社内のオペレーションを適応させ、常に質の高いエクスペリエンスを提供できるように、Dynamics 365 Intelligent Order Management は、マイクロサービス アーキテクチャと API の統合を通じて、エンタープライズ リソース プランニング (ERP) システムや顧客関係管理 (CRM) システムといった既存の注文インフラストラクチャや外部パートナー システムと柔軟に統合できるようになっています。構成可能な構築済みのコネクタが 200 種類以上用意されており、これらを使用することで、オムニチャネルの注文や、クロスチャネルの注文のフルフィルメントおよび配送、ルールベースの注文のオーケストレーションに必要なソリューションにシームレスに接続することができます。
強力な接続
Intelligent Order Management はスタンドアロンの SaaS ソリューションであり、他の Dynamics 365 アプリケーションとの依存関係がありません。モジュール式の相互運用可能なオープン アーキテクチャを採用しているため、電子データ交換 (EDI) や実店舗の POS といった従来の注文チャネルに加えて、オンライン e コマース マーケットプレース、モバイル アプリ、ソーシャル コマースといった広範な注文ソース システムのエコシステムを活用することができます。
小売業、流通業、製造業のお客様の多くが、既存の注文システムを新たなオペレーション手法に適応させようと、数々の難しい課題の克服に取り組んでいます。Intelligent Order Management の大きなメリットは、ビジネス ユーザーがローコードやノーコードのアプリケーション内で構築済みのコネクタを利用して多くの一般的な注文ソースからの受注を視覚的に構成し、実装と統合を迅速に行うことができる点です。

注文ソースとオーケストレーション
Intelligent Order Management は、他の Dynamics 365 ビジネス アプリケーションとシームレスに統合できるだけでなく、使用中のアプリケーションや、ビジネス プロセスを変革する中で導入を予定しているアプリケーションとも統合することができます。Intelligent Order Management では、BigCommerce (英語) などのサードパーティ アプリケーションからの B2C の注文フローを簡単にパススルーできるように、注文取得時の検証を最小限に抑えています。また、Orderful (英語) などの EDI 受注アプリケーションからの B2B の注文フローについては、フルフィルメントに注文を転送する前に信用調査を必須にするなど、コンテキスト駆動型の検証アクションを使用して簡単にパススルーできるようにしています。
ここからは、注文ソースとオーケストレーションのプロセスについていくつかご紹介します。
自動決済
決済を統合することも可能です。受注時のクレジット カード決済に対応したり、フルフィルメントのステータスに応じて決済の確定を後回しにしたり、掛け売りの注文ではビジネス アプリケーションに請求書を送信したりすることができます。こうしたイベント駆動のアクションは、組み込みのオーケストレーション デザイナーを使用してフローに組み込むことができます。ユーザーは直観的なデザイン インターフェイスからドラッグ操作によって注文フローを作成できます。
ダイナミック プライシング
Intelligent Order Management で注文を受けた後は、その注文ソースの種類にかかわらず、自社の業務上のニーズに合わせて追加のルールベースの検証を調整することができます。構築済みのコネクタを使用して Flintfox (英語) などの主要なアプリケーションに接続することで、迅速かつ効率的に高度な価格設定、リベート、手数料の管理を行うことが可能です。
「Intelligent Order Management では、Flintfox などのサービス プロバイダーと提携して、リアルタイムで正確なダイナミック プライシングを提供しています。Flintfox RMx Pricing ソリューションの活用によって、ソースの種類にかかわらずすべての注文やフルフィルメントに常に適切な価格が反映されるため、価格設定のミスにより法的紛争や信用・管理上の問題が引き起こされるようなリスクを抑制できます。Flintfox Rmx に高度で使いやすい価格設定とプロモーションの管理ソリューション、そして Intelligent Order Management を組み合わせることで、最終的な注文ソース システムやデバイスの種類に関係なく、オムニチャネル全体の価格設定を一元管理できます」
税務コンプライアンス
注文管理におけるもう 1 つの重要なプロセスは、税額決定と税務コンプライアンスです。Intelligent Order Management では、サードパーティの税エンジンに接続できるため、位置情報や製品分類をベースに税率やルールの計算を自動化したり、税務署への納税申請や送金を行ったり、非課税の販売から税金を自動控除して免税ドキュメントを管理したりすることができます。パートナーが提供する複数の構築済みコネクタを選択することで、売上税、付加価値税、販売者使用税、滞在税、宿泊税、消費者使用税に関する注文の税務コンプライアンスを迅速かつグローバル レベルで拡大できます。
「今日、企業はオムニチャネルへの迅速な対応という激しい競争圧力にさらされています。注文管理プロセスの効率化を図ることは、円滑な業務の維持、ひいてはデジタル コマースで成功を収めるうえで重要な要素です。当社はマイクロソフトとのパートナーシップの強化により、Dynamics 365 Intelligent Order Management アプリケーション向けのソリューションを共同開発できることを嬉しく思っています。これにより、両社共通のお客様に対して、自動化されたシームレスな注文オーケストレーションを可能にする業界最先端のソリューションを提供し、オムニチャネルの成功を後押しすることができます」- Sanjay Parthasarathy 氏、最高製品責任者、Avalara (英語)
フルフィルメントと配送
Intelligent Order Management では、調整した注文フローを在庫システムやフルフィルメント システムと組み合わせることで、注文をサプライ チェーンの適切なノードに転送することもできます。構築済みのコネクタを使用すれば、顧客の需要を満たすためのさまざまな物流戦略を容易に追加できます。たとえば、Intelligent Order Management のリアルタイムの在庫視覚化機能を使用したくない場合は、社内の在庫アプリケーションで配送日を検証する注文プロセス フローを作成することが可能なほか、構築済みのコネクタを使用して、受注前にその商品が納期回答可能在庫であるかどうかを確認することもできます。
調達と割り当て
在庫切れの場合、Intelligent Order Management では、注文のフルフィルメント方法 (内製または外製) の意思決定を自動化する柔軟なフレームワークを提供する手段として、調達ルールを組み込むことができます。同様に、在庫が限られてきた場合には、割り当てルールを使用して、どの注文に応じるかの意思決定を自動化したり、在庫を特定のチャネルやビジネス目標に限定したりすることもできます。
サプライ チェーン管理
他にも検討すべき構築済みコネクタがあります。それは、Dynamics 365 Supply Chain Management ソリューションのコネクタです。Intelligent Order Management は他の Microsoft Dynamics 365 モジュールを必要としないスタンドアロンのソリューションですが、Supply Chain Management ソリューションと接続することには複数のメリットがあります。この接続によって、製造と流通の両面で統合が強化されます。製造面では、リアルタイムの製造計画という形で供給と注文の需要を適切に同期できるようになります。また、流通面では、流通計画に統合された倉庫管理システムを利用できるようになります。
検証ルール
注文をさまざまな場所から大規模に受ける場合、ソース システム内の検証機能に限りがあり、データの不整合が生じる可能性があります。この場合、最小注文数をチェックするなど、条件ベースのルールを使用することによって、要件を満たす場合にのみ注文を受けるようにすることができます。検証が完了すると、Intelligent Order Management のフルフィルメント最適化エンジンが最短距離や最小コストなどのルールに照らしてその注文を評価し、接続網の中から最適なフルフィルメント ノードを特定します。

配送料の評価と返品
プラットフォームの拡張機能を使用して、既存の配送料評価システムを注文オーケストレーション プロセスに接続することもできます。また、Intelligent Order Management はリバース ロジスティクスを処理できるため、意思決定ロジックを返品注文フローに組み込み、店舗、フルフィルメント ノード、あるいはサービス センターへの返品注文を容易にして自動化できます。Intelligent Order Management に追加できるフルフィルメント ノードの数に制限はないため、あらゆる規模の企業に対応できます。
リファレンス API
Intelligent Order Management は、スタンドアロン ソリューションとして設計されている一方で、他のビジネス アプリケーションとデータを簡単に共有することができます。マイクロソフトのリファレンス アーキテクチャにより、注文ソースやオーケストレーション、フルフィルメントや配送まで、必要な接続ポイントを作成できます。使用したいアプリケーションの構築済みコネクタがパートナーから提供されていない場合は、リファレンス API を使用して必要なシステムに接続できます。
次のステップ
フルフィルメントを最適化する方法のさらに詳しい情報については、先日の Microsoft Business Applications Summit イベントのオンデマンド動画「インテリジェントなフルフィルメント オーケストレーションによる配送の最適化 (英語)」をご覧ください。Microsoft Dynamics 365 Intelligent Order Management の無料トライアルには、こちらのページ (英語) からサインアップできます。また、Dynamics 365 Intelligent Order Management についてエキスパートと意見を交換するには、コミュニティ (英語) にご参加ください。ご不明な点や詳細については、D365OMS@microsoft.com までお気軽にお問い合わせください。

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